今回のストーリーは前後ともしずちゃんが不思議とフィーチャーされている。
「痛みはね返りミラー」は、ドラえもんは痛みをはねかえす秘密道具でジャイアンに他人の気持ちを理解させようとするが、そのころジャイアンはのび太をいじめたことをしずちゃんに批判されて反省していた……
単行本未収録だった短編を2005年リニューアル以降に初アニメ化。しかしプロットが「悪運ダイヤ」等のパターンで目新しさがないし、暴力と返報のドラマとオチが無関係すぎる。単行本収録を見送られたのも当然と思えた。
しかも冒頭でしずちゃんがジャイアンをいさめる描写が、暴力が終わってから説教する順序になっていることが良くない。漫画なら読者が時間経過を想像しながら読めるので不自然に感じなくても、制作者が時間経過を決めるアニメでは暴力を長々と看過してから説教しても説得力がなくなる。たとえば、のび太が暴力をふるわれた直後にしずちゃんがかけつける、みたいな描写に改変するべきだろう。
ジャイアンがバットでなぐる描写はドロップキックに改変されたが、とってつけたようなオチは原作のままで工夫がない。再放送とあわせて、しずちゃんが秘密道具に意図せず助けられる構図になったのは面白かったが……
「ヤキイモの気持ち」は、2013年に放映されたアニメオリジナル回の再放送。まったくといっていいほど記憶に残っていなかった。
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