法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『デリシャスパーティ♡プリキュア』第3話 コメコメのおつかい!まいごで大騒動!!

新たなエナジー妖精のパムパムが登場。コメコメと違って言葉をしゃべり、さまざまなアイテムもつかえる。一方、コメコメはカレー作りのための買い物を手伝おうと、ひとりカゴをもって和実家を出ていった……


平林佐和子シリーズ構成脚本に、『キラキラ☆プリキュアアラモード』SDの貝澤幸男コンテ。
今作は和実および変身したキュアプレシャスがパワーキャラなので、お菓子モチーフのファンタジー攻撃重視がコンセプトだったSD担当作より、わかりやすくアクションが魅力的だった。デリシャスフィールドで戦場が隔離されることや、倒すべき怪物が今のところ無機物が変化することで、破損する描写もおこなえている。
今回はキュアプレシャスが単独パワーで押しきってローズマリーの協力が必要なかったのと、戦闘終了後に変身したまま芙羽をお姫様だっこで送った力技も笑った。


物語の本筋は、幼い存在が勝手に出かけてメインキャラクターが右往左往するパターン。たいていの一年アニメなら中盤のつなぎ話でやるような展開を早々に投入。
まだ他のメインキャラクターとチームを組んでいない、視聴者も舞台設定をはっきり知らない序盤でやるのは少し珍しい。だからこそ、登場人物や舞台の街の紹介を自然におこなえる効果が出ている。料理の写真をとりながら食べ歩く華満らんや*1、パムパムがしゃべれるからこそ普通の犬ではないと気づかせてしまった芙羽ここね。言葉がしゃべれなかったり、言葉をしゃべってはいけなかったり、超常の存在について知らなかったり、キャラクターの出せる情報の違いで状況説明も自然な会話におりこめている。
さまざまな場所を動きまわるので街を一歩も出ていなくても画面が変化して飽きさせない。登場する料理の色彩や質感も、現代アニメの水準にとどいた撮影ができている。これをちゃんと成立させる制作リソースを今の東映アニメーションはTVアニメに投入できるのだ、という時代の変化も感じられた。
ただ、買い物をしていたと判明した後にほめるだけじゃなく、次からは声をかけるかメモを残すかするように注意もすべきでは、と思った。やはり児童向けアニメなのだから。

*1:結末の芙羽の孤食と違って、ひとりでも楽しめることを先に描いているところがいい。もっとも、新型コロナ禍の今は現実にそのまま適応するのも色々な意味で難しいが……