日本の本格ミステリ再興に尽力し、社会派ミステリの延長でノンフィクションも発表していた著名な小説家が、FacebookでJアノン*1と化していた。
https://www.facebook.com/soji.shimada.9/posts/850226849097073
DT対梅田(ばいでん)の闘いは、ブルース・リーと車椅子の老人の決闘と言われ、民主党史上最弱、実績皆無で演説に人が集まらない認知症梅さんと、生きのいい正義の男の闘いは、レフリーが梅田さんの手をつかんで高々と掲げた。米大統領選挙史上最大の票数を獲得した梅田さんの選挙不正は、山のように証拠があり、映像もある。
もしもトランプが劣勢を転覆させて二期政権に入るなら、頭のおかしいトランプが、あれこれさもしいいちゃもんをつけて図々しく居座っている、とばかり繰り返し書いてきた日本の新聞は、文字を読む要のない、ペットのおしっこ紙に転落するであろう。
ノンフィクションにしても虚構性が高くて陰謀論的な気配はあったが、マイノリティによりそう理想を描いた小説家のはずでもあった。
しかし米国や「日本の新聞」を嫌悪するあまり、敵の敵としてトランプ大統領のパフォーマンスにひかれていった……ということだろうか。
検索すると、すでに『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』について、ゴジラをトランプ大統領にたとえていたという指摘があった。
島田荘司先生、そういやゴジラ好きだったよな。KOMに関して何か書いてないかな…と、思ったらこんなことを書いてた。「うーん」である。いや、それが悪いとは言わないが、かつて「奇想、天を動かす」の作者に何が起こったの。こういう感じになってたのを全然知らなかったよ。https://t.co/Y5c5LtrwDS
— … (@madanaizo) 2020年12月14日
映画化*2もされた長編ミステリ『星籠の海』を読んでひっかかりをおぼえ、後にインターネットで講演会の発言を読んで落胆するエントリを書いたのが2016年のこと。
hokke-ookami.hatenablog.com
かつて対談などもおこなって別方向から日本のミステリを引っぱっていた笠井潔によると、数年前から沖縄米軍基地反対運動と敵対していたともいう。
米軍基地が撤去された翌日には沖縄は中国に占領される、などといいう俗論を振りかざし、沖縄民衆の反基地闘争に敵対しはじめた5、6年前の時点で、島田荘司への評価は決めている。トランプ派の陰謀論を吹聴するようになっても、いまさら驚くようなことではない。
— 笠井潔 (@kiyoshikasai) 2021年1月7日
ただ、ここでキャリアのある現役の同業者が批判したことに、いくばくか救われた気持ちはある。
*1:hokke-ookami.hatenablog.com
*2:後年に機会をもって見ると、かなり原作の問題は穏健化されていたが。