自民党で法務大臣だった河井克行氏のネット工作により、立憲民主党の塩村文香氏が被害にあっていたという。
河井克行氏は私に3ヶ月も警視庁出身の探偵をつけていただけではなく、ネット業者に頼んでネガティブな記事の工作をしていたのか。あの時期は大量の怪文書が出たり、選挙の時には攻撃でホームページがダウンして閲覧不可能になったりと色々ありました。しかし、よく「こんな人」を法相にしたものだ。 pic.twitter.com/YxWN10Xs6Q
— 塩村あやか🐾参議院議員(りっけん) (@shiomura) 2020年10月20日
これは自民党のインターネットにおける工作がただの陰謀論ではないこと、そしてそのような工作をおこなう人物が重用されてきた一例といえる。
もちろん河井氏は裁判がつづいており、今後また新たな情報が出てくるかもしれない。
ここで思いだされてほしいのが、自民党の広報本部長や各種の内閣特命担当大臣をつとめた平井卓也氏だ。現在もデジタル改革担当大臣として特定の活躍が知られている。
そのような人物が2013年、ニコニコ動画の党首討論において、匿名の立場で野党の党首を差別的に罵倒し、自民党を応援しようとしたことが暴かれている。
[B! 自民党] 東京新聞:自民・平井氏ネット党首討論に投稿 福島氏に「黙れ、ばばあ」:政治(TOKYO Web)
社民党の福島瑞穂氏へ「黙れ、ばばあ」、欠席した維新の橋下徹氏へ「橋下、逃亡か?」、そして自民党の安倍晋三氏へ「あべぴょん、がんばれ」とコメント*1。
東京新聞の取材に対して、国会のヤジのつもりでおこなったと平井氏は釈明していた。しかしヤジにしても、あげつらう最低限の基準というものがあるだろう。
そしてこの平井氏が、自民党ネットサポーターズクラブいわゆるJ-NSCで代表をつとめて、WEB世論の流れを誘導しようとしてきた……
第二次安倍政権において、野党や左翼の批判が攻撃的もしくは差別的であることが問題視され*2、相対的に自民党が支持されてきたという言説を見かける。
強い表現の政権批判を「政治ヘイト」「政治的な憎悪」と評価した篠原修司氏、過去には「野党のバカげた質問」という表現を「主題ではない」と弁護していた - 法華狼の日記
しかしそのような言説は上記のような事実に反している。攻撃的であったり差別的であったりする批判で支持を失うのであれば、自民党はずっと野党のままであったろう。
*1:すでに記事は削除されているが、WEBアーカイブで確認できる。 東京新聞:自民・平井氏ネット党首討論に投稿 福島氏に「黙れ、ばばあ」:政治(TOKYO Web)
*2:なお私は、前者はそれ自体は必ずしも問題ではないと考えるし、後者は皮肉などでなければ原則として問題になると考えるが。