法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

“福島瑞穂氏に妹がいる”というデマを新聞コラムで流した屋山太郎氏が、“桜を見る会は後援者優遇のため”と語るに落ちていた

まだ地裁段階だが、名誉棄損訴訟で満額の支払いが命じられたという。なお、弁護士ドットコムが引用している「取り下げさせた」は「取り上げさせた」の誤記。
屋山太郎氏「福島瑞穂氏の妹が北朝鮮に」→妹は実在せず、名誉毀損で賠償命令 - 弁護士ドットコム

社民党副党首で参院議員の福島瑞穂氏が330万円の損害賠償を求めた裁判で、東京地裁(沖中康人裁判長)は11月29日、屋山氏に330万円の支払いを命じる判決を言い渡した。

徴用工訴訟についてふれ、「この訴訟を日本で取り下げさせたのは福島瑞穂議員。福島氏は実妹北朝鮮に生存している。政争の具に使うのは反則だ」などと書いていた。

福島氏側は「そもそも妹はいない」として、屋山氏の名誉毀損を訴えていた。一方、屋山氏は「他の人と取り違えていた」などとして、争っていた。


そんな屋山氏だが、11月27日の静岡新聞コラム「論壇」で、「桜を見る会」追及の動きに反論している。
日本戦略研究フォーラム(JFSS)

首相関係者は約1000人らしいが、彼等の前夜の宴会が1人5000円というのは安すぎる。不足分を首相が補填したのではないかと勘繰る。

小沢一郎氏は党内親中派を集めて訪中し各人を主席に会わせた。その時のメンバーは1人30万円を払った。「どうみても訪中3泊だから1泊につき10万円。こんな高い旅費があるだろうか」という人がいた。

野党は自民党がまだこういう手を使って、政治資金を集めていると本気で思っているのか。

政治資金パーティー自民党が開いていないと考えている政治評論家がいるのも不思議だが、そもそも足し算引き算ができないのだろうか。
参加者が高額のパーティー代をはらえば資金のプラスになるが、参加者のパーティー代を補填すれば資金のマイナスになる。


つまり争点は政治資金集めではなく*1、功労者のための祝宴という建前で、事実上の賄賂をおこなっているのではないかということ。
つい先日にも、自民党衆院議員の大岡敏孝氏による政治資金パーティーで、会費1万円なのに有力者を無料招待したことが問題視された。政治家からの寄付行為として法に抵触するからだ。
自民・大岡氏、無料で飲食提供 政治資金パーティーで:朝日新聞デジタル

選挙区内の自治連合会長らに無料で料理や酒などを提供していたことがわかった。公職選挙法は、政治家による選挙区内の人への飲食物の提供は寄付行為にあたるとして禁じている。17日に記者会見した大岡氏は「公職選挙法に抵触すると疑われる部分があった。来年以降、一切招待をやめる」と話した。

無料招待した場合に寄付行為にあたる金額を滋賀県選管に問い合わせ、飲食の実費が該当すると回答を得たという。実費は約3千円相当で、「地域の課題を参加者と意見交換してもらう、いわば『講師』の位置づけで招き、対価として飲食代を無償にするのは問題ない」と判断し、翌2017年から自治連合会長らの招待を始めた。

それでは屋山氏は寄付行為にあたる可能性をどう考えているのかというと、自身も招待されている身分ということは誠実に明かしつつも、後援者を優遇することを肯定していた。

私も毎年、ご招待をいただいているが、これまで参加したのはただの1回。理由は早起きに耐えられないこと。後援会の人を前夜に招いて会食し、翌朝桜見に参加とはうまいやり方だ。首相夫妻と並んで写真を撮るのは参加者にとって名誉になり、一生の思い出になる。首相夫妻のほか、外交官や芸術家など、日ごろ会えない人が山ほど集う。そういうところで邪魔をしてはいけないから私は知り合いに目で挨拶する程度で帰る。それが記者の礼儀だと心得ている。

権力者の後援者に税金で優遇するためではないという「桜を見る会」の建前を忘れることが「記者の礼儀」なのであれば、今回に問題視されるまで悪化したのも当然だろう。

*1:税金を使って優遇すれば、同等の優遇をするための資金が浮くという間接的な効果はある。