法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ドラえもん』ハッピーガチャはやめられない/マジックボックス

「ハッピーガチャはやめられない」は、さしだした物品の価値にあわせてくじ引きできる秘密道具が登場。幸運がまいこむ良いクジが出て味をしめ、のび太は次々に物品をさしだすが……
オリジナル秘密道具による完全アニメオリジナルストーリー。清水東脚本、善総一郎コンテ。思いがとどかず固まったドラえもんの直線的な荒い描線が印象的。ミニ型タコで埋もれる画面など、情景の異常さを絵でささえているのは良かった。
物語はソーシャルゲームの「ガチャ」を回しつづける近年の社会問題をそのまま風刺。のび太は他人に悪いクジを引いてもらって、良いクジが残るようねらったりと、こうしたゲーム全般らしい策略をつかう。そうして初めてガチャを回させると必ず良いクジが出るのがギャグとして楽しいし、ガチャの沼にひきこむ秘密道具の機能をかんぐらせる。
ただいかんせん、次こそ良いクジがひけると期待して物品をさしだしつづける展開は単調で、のび太が他人に回させて途中で引きあげる局面以外は予想の範囲を一歩も出ない。
秘密道具のデザインもイマイチ。なぜタコ型なのかは私が気づかないネタがあるのかもしれないが、どこにも藤子F作品っぽさを感じさせない。せっかく巨大なガチャガチャのデザインにしたなら、物品は自動で吸収されるのではなく、硬貨のように物理的に入れてほしい。法被を着てハッピーと叫ぶダジャレにしても、藤子F作品のダジャレとはセンスが違うと感じた。


「マジックボックス」は2018年の再放送。こう何度も再放送で短期間に見ていくと、寺本幸代コンテがなつかしい。
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最近はベタエンタテイメント制作の「あにめたまご」作品『レベッカ』を手がけたり、短い行政広報アニメを監督しているが……
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