法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

布マスク2枚配布に466憶円がつかわれる一方、医療用不織布メーカーが10億円の負債をかかえて倒産

四国中央市に岸製作所という企業があり、ウェットティッシュやマスク製造機などを手がけていた。
株式会社岸製作所 | 株式会社岸製作所は不織布を素材とした衛生、医療、化粧分野の製品製造設備をご提供する会社です
それがよりによって、四国で初めて新型コロナウイルスの影響で倒産したとみられるという。
岸製作所が民事再生法適用申請 負債総額約10億5000万円|愛媛新聞ONLINE

 総合加工機メーカーの岸製作所(四国中央市)は10日までに、松山地裁西条支部民事再生手続き開始を申し立て、保全命令を受けた。東京商工リサーチによると、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による海外の取引先の入金遅れなどで、資金繰りが悪化した。負債総額は10億5千万円。

時期的にむしろ操業継続が社会的に求められそうな企業だが、もともと設備投資の負担が大きい状況で、海外との取引がうまくいかなくなり、資金繰りできなくなった。
(株)岸製作所 : 東京商工リサーチ

 1973年創業の化粧分野製品の製造設備機械メーカーで、不織布製造機械を主体に展開し、近隣の不織布メーカーなどに販路を形成。2018年10月期にはピークとなる売上高11億7000万円を計上した。
 しかし、過去に遡った在庫の処理などを行い、約4億円の当期純損失を計上。また、過去に実施した設備への投資負担から借入への依存度が高い状態が続いていた。さらに、「新型コロナウイルス」感染拡大で海外取引先の業績悪化で入金が遅れ、更に資金繰りは悪化。3月31日に資金ショートを起こしていた。

一応、政府も以前から国内メーカーへ設備新設の補助などはおこなっていた。しかし、もしかすれば既存の設備や人員には目をむけていなかったのではないか、という疑問をおぼえる。
菅氏 マスク品薄解消に「一定時間要する」 4月は7億枚供給見通し - 毎日新聞

政府は1月に国内メーカーに増産を要請するとともに、マスク製造設備の新設に対する補助金制度を導入。2月下旬以降に14件の事業への補助が決まり、約6800万枚を増産する態勢となった。中国からのマスク輸入が再開されるなどした結果、3月の供給量は約6億枚(うち約3割が輸入)を確保した。

需要が拡大している状況でも、経営が苦しくなることはあるだろう。他の企業と調達で争い、必要な資材がえられず操業できなくなったりする場合などが考えられる。
だからこそ、マスク供給量が世界的に不足して長期戦を覚悟するべき時、きちんと業界全体をささえるべきだったのではないかと思うし、今からでも操業をつづけられるよう助けるべきではないかと思うのだが……