法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『メディアタイムズ』アニメは自由に表現できる?

たまたま録画していたEテレの小学校高学年向け教育番組。第16回は人形劇のアニメ化『がんがんがんこちゃん』のアニメ制作風景に密着。
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がんこちゃんが巨大化する場面を、絵コンテから作画し、さらに撮影効果を足して、より巨大感を表現していく過程を見せていった。2018年放映の2期で先行して公開されたカットと同じだった。
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通常のアニメらしい作画段階でも、前景と後景を別けてスライドし、疑似的な回りこみで巨大感を表現。森の木々で足元を隠し、背後の月は逆に隠され、対比的にがんこちゃんのサイズも実感できる。
そして月光によって巨大がんこちゃんが逆光になることを依田伸隆監督が思いついて追加したアイデアのように見せていたが……最初に紹介された絵コンテをよく読むと、その段階で逆光という指示がある。
アニメはあらゆる要素が作者の意図と指示で描かれると素直に説明すればいいのに、いくらでもコントロールしなおせるかのように説明されると違和感がある。ひんぱんに後から演出を追加するのは、かつての出崎統監督作品くらいではないだろうか。


アニメの自由だからこそ過剰になりがちな暴力性と、その自由と規制の緊張関係など、メディア教育番組らしい観点も手短に伝えつつまとめていて、10分間で密度の濃い内容ではあったのだが……