それも作中最高の「美女」とされる女性の全裸場面で登場した。『クイーンズブレイド』『れでぃ×ばと』等では、規制の闇と光で、下手な水着より露出度が低くなりそうな場面というのに。
見ていて欲情をおぼえるような場面ではないし*1、あまりフェティッシュな作画でもないが、それゆえ逆説的に、ごくごく普通に自然に出てきたことに驚いてしまった。
つまるところ、現状では表現そのものよりも、受容のありようが重要ということか。昨今の深夜アニメでよく見られる規制の多くは、おそらく商業的な要請か*2、あくまで慎重をきした自主規制にすぎないのだろう。
そういえば、一般向けアニメよりアダルトアニメは規制基準が厳密なため、一般アニメで許されるカットでもアダルトアニメだとモザイクがかかるとか聞いたことがある。
たとえばディテールを省略してマネキンのように描かれた全裸の場合、アダルトアニメだと局所にモザイクがかけられる。ギャグアニメで男が性器を露出するような場面は、もちろんアダルトアニメだと規制される。
色々なアニメを見てきた経験からも感じられる傾向ではあるが、はっきりした情報源があるわけではないので、現場の運用から見れば的外れかもしれない。アニメ関係の自主規制情報はあまり見ない*3。
ちなみに『COBRA THE ANIMATION』全体は、娯楽作品として肩の力を抜いて楽しめている。
出崎統監督が降板して、後任監督がアニメーターの清水恵蔵ということでさほど期待していなかったが、レトロフューチャーな物語がテンポ良く展開し*4、どんでん返しや危機の連続も複雑すぎず。アクション作画は弱いもののキャラクター作画は意外と安定し、原作の絵柄と現代の描線をうまく折衷している。
物語展開も古典的ではあるが、ところどころに印象深い描写もある。特に、「人面魚」の扱いには本気で驚いた。3DCGで描画されていることが、ちょっと映像的なミスディレクションになっている。
過去に同原作から出崎統がアニメ化して成功し、今作も出崎哲がアニメーションプロデューサーをつとめていることもあってか、演出のそこここに出崎演出っぽさを感じたりした。