法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『相棒 Season18』第13話 神の声

近くまで来たからと、特命係が奥地の牡丹鍋店にたちよったところ、休業していた。山岳信仰のため閉山しているためだという。しかしそれゆえ人が登らない時期の山で、地面にはりつけにされた変死体が見つかった……


脚本はシリーズ初参加の山崎太基。ちょっと前のこのドラマらしく、2時間サスペンスを1時間に濃縮したような作りで、オーソドックスに楽しめた。
謎めいた溺死から機械式トリックに、冤罪だった被疑者への偏見をめぐる村八分といった社会派テーマを組みあわせ、さらに米国の終末論者「プリッパー」を配置。いつもと違うロケーションに次から次へ新しいネタが舞いこんで、見ていて飽きない。


ただネタ密度が高いだけに無駄が少なく、何が手がかりなのかわかりやすいし、容疑者も簡単にしぼられる。行方不明の冤罪被害者や女性がプリッパーの地下室にでも隠されているのかといった可能性も途中までは感じたが、わりと単純な復讐劇で終わった。
ふりかえってみるとプリッパーの存在意義も、閉山している時期に山をこっそり動きまわることで、過去の事件を目撃して記録する意味しかなかった。社会から距離をとる思想のため、警察にうったえなかったことが後の復讐劇に発展したともいえるが……