今回は偶然や必然で似ている人々が出会ったり、事件を起こしたエピソードが紹介される。
「神様がもたらした奇跡の生還」は、安易な気持ちで滝を見に行って遭難したカップルの生還劇。バスツアーでとりのこされただけなので軽装で、まともな装備も食料もない。夜間は気温が零下となるような厳しい環境で無為な彷徨をつづけていたところ、1年前に遭難した男の遺物を発見。その遺物のマッチで山に火をつけ、その煙でヘリコプターに見つけてもらったという。遭難者の遺体も遺族に戻されたハッピーエンドだが、しかし遭難者がノロシをあげなかったらしいのはなぜだろうか。
「神様のイタズラ「邪悪な双子：犯人はどっちだ」」は、23歳の女性が性的暴行されて殺害された事件で、最後に残った被疑者がDNA鑑定で確定できない問題をあつかう。被疑者の弟には父親を殺害した疑惑もあるが、優等生な兄をはじめとして家族が一丸となってかばい、無罪となっていたという。そして新たな事件においてDNA鑑定が一致したが、兄は自分のアリバイを語らない。
まさか西村京太郎『殺しの双曲線』を思わせるトリックが米国で現実に実行されていたとは。とはいえ米国なので陪審員が有罪と判断し、それで事件は決着というオチ。それでも兄が弟の無罪をうったえつづけているという現状の不思議さもある。
