ロイター・ジャーナリズム研究所の出している『Digital NEWS REPORT 2018』で、朝日新聞の信頼性が主要紙で最低という結果が出たという。
朝日新聞の信頼度は日本の有力紙の中で最下位 英調査│NEWSポストセブン
日本の新聞で読者の信頼度が高いのは1位が日経新聞、2位地方紙、3位読売新聞で、朝日新聞は産経新聞(4位)や毎日新聞(5位)より下の6位(最下位)となった。“日本で一番信頼できない新聞”という評価だ。
朝日新聞が低いのは、共同通信記者の澤康臣氏によると、現首相の安倍晋三氏をはじめとした右派層からのバッシングによる影響だという。
こう続く。〈さらなる分析から、朝日の信頼度が低いのは、部分的に、こうした右派からの声高で党派的な批判から来る高いレベルの不信の結果だとわかっている〉
各紙が独立している地方紙が2位になっていることや、「ネットによるアンケート方式」とだけ説明された調査方法では信頼しづらいという疑問もある。
今年1〜2月にネットによるアンケート方式(日本のサンプル数は2023人)で行なわれ、新聞、テレビ、週刊誌などの媒体ごとに信頼度を「0(全く信頼しない)」から「10(完全に信頼がおける)」までの11段階で評価したものだ(朝日は5.35ポイント)。
よく読むと、2018年初頭におこなわれた調査ということも気になってくる。これは公文書改竄を朝日新聞がスクープする直前におこなわれた調査だ。
実際、レポートについてくわしく書かれた英文記事を、機械翻訳の助けを借りながら読んだところ*1、わざわざ調査に反映されなかったスクープへ言及している。
Japan - Reuters Institute Digital News Report
Further analysis shows that Asahi ’s weaker trust is partly a result of high levels of distrust from these vocal and partisan critics on the right. After this year's survey was conducted, Asahi published a series of exposés which rocked the government and slashed Prime Minister Abe's approval rating. The impact is not reflected in this year's survey.
さらに分析すると、 アサヒの弱い信頼は、部分的には、これらのボーカルと党首の批評家からの高い不信感の結果であることがわかります。 今年の調査が終わった後、 朝日は政府を揺るがし、安倍首相の支持率を引き下げた一連の公開を発表した。 この影響は今年の調査には反映されていない。
調査によってはかられた信頼度は、メディアの情報の確度とは必ずしも同一ではないという留意が読みとれる。
レポートの他の数字を見ても、そのまま各メディアを論じるのは難しそうで、いくつか分析をくわえる必要がありそうだ。
面白いのが、新聞だけでなくTVやWEBメディアもランキングしていること。全体としてはNHKがトップだったり、日本テレビやTBSが読売新聞より高かったりする。
そして朝日新聞よりもBuzzFeed Japanの信頼性は低く*2、それよりさらに週刊新潮と週刊文春が低い。