法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

とうとう教育勅語の問題で塚本幼稚園に劣った日本政府

新体制になったという森友学園が、過去のさまざまな問題を反省する文書を公開していた。
http://www.tukamotoyouchien.ed.jp/wp-content/uploads/07216f9fab6acf7d288005900360f996.pdf

具体的なカリキュラムについては、マスコミ等の報道やご批判にありますように、ともすると、「愛国教育」、「国粋主義」と捉えられ、具体的には「教育勅語を暗唱させる幼稚園」、「自衛隊行事に参加する幼稚闘」とのご指摘を受け、社会問題化するに至りました。

今後は、教育基本法が昭和32(1947)年に制定された際に示された「われらは、個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成を期するとともに、普遍的にしてしかも個性ゆたかな文化の創造をめざす教育を普及徹底しなければならない。」との指針を常に念頭におきつつ、内容・カリキュラムを柔軟に見直して参ります。
 また、前理事長時代に各方面よりご指摘を受けました差別・ヘイトスピーチ問題に関しましても、なぜそのようなご指摘を受けるに至ったのかを全職員と共に精査し、改善すべき点があれば真摯に反省するとともに、今後、問題の発生を根絶する事をお約束いたします。

私個人も先日に下記エントリで求めたとおり、少なくとも過去の批判を無視しつづけることと比べて、はるかに良いことだ。
森友学園問題の中心にいる籠池泰典氏へ、空気を読まずに私個人が望んでいること - 法華狼の日記
もちろん今はまだ建前の言葉にすぎない。全面的に信頼できるような材料もない。問題性を認めるという第一歩で終わらず、実行されていくことが重要だ。文章だけで評価しても、批判や疑問のすべてに充分に応えているとまではいえない。
だからこそ、今回の反省の表明を正しく評価するために批判的な視線はもちつづけるべきだろう。そして森友学園と関係者が再生の道を一歩一歩進んでいくことを願いたい。


一方、日本政府は先日に防衛相が教育勅語を賛美したあげく、教材としての使用を許容する答弁書閣議決定した。
http://www.asahi.com/articles/ASK3045LBK30ULFA00Q.html

勅語を我が国の教育の唯一の根本とするような指導を行うことは不適切である」としたうえで、「憲法教育基本法等に反しないような形で教材として用いることまでは否定されることではない」との答弁書閣議決定した。

稲田朋美防衛相が国会答弁で「親孝行や友達を大切にするとか、そういう(勅語の)核の部分は今も大切なもの」と述べたことの是非について、答弁書は「政治家個人としての見解」とし、政府としての見解を示さなかった。

賛美した防衛相の発言を「政治家個人の見解」として許容した部分をふくめて読めば、「憲法教育基本法等に反しないような形」という基準の程度も知れるというもの。どのような“忖度”が教育現場でおこなわれるか想像にかたくない。