法華狼の日記

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公文書が改竄された時に、行政府に責任はないと主張する人々

森友学園売却をめぐる公文書に改竄の疑いがあると、3月2日に朝日新聞が報じて、その疑惑を野党も問いただしている。
森友文書、財務省が書き換えか 「特例」など文言消える:朝日新聞デジタル

契約当時の文書の内容と、昨年2月の問題発覚後に国会議員らに開示した文書の内容に違いがあることがわかった。学園側との交渉についての記載や、「特例」などの文言が複数箇所でなくなったり、変わったりしている。複数の関係者によると、問題発覚後に書き換えられた疑いがあるという。

契約当時の文書と、国会議員らに開示した文書は起案日、決裁完了日、番号が同じで、ともに決裁印が押されている。契約当時の文書には学園とどのようなやり取りをしてきたのかを時系列で書いた部分や、学園の要請にどう対応したかを記述した部分があるが、開示文書ではそれらが項目ごとなくなったり、一部消えたりしている。

今のところ朝日新聞の単独スクープのようだが、これまで森友学園について関係を否定しつづけてきた政権側や与党側からもはっきりした反論はない。


こうした報道に対して、田中秀臣氏や菊池誠氏や斉藤淳氏といった著名人が、公文書が改竄されたとしても全責任は官僚にあると示唆するツイートをしている。

現政権に都合よく公文書が改竄されうることを、たとえ仮定としても認めているのは、これまでの報道で学んだのだろう。存在しないかのように現政権が主張した資料が発見されたのは、森友学園問題に限ったことではない。
しかし公文書が改竄されたと仮定しながら、政権の責任を否定しつつ官僚の陰謀を語るのはいけない。朝日新聞のスクープが誤報だったとしても、ツイートした人々が行政府の責任を否定する陰謀論者となってしまったことにかわりない。


また、陰謀論についてだが、仮に官僚が倒閣を策謀しているとしても、わざわざ公文書を改竄するという発想がよくわからない。改竄前の公文書は政権に不都合な記述があったのなら、森友学園問題が今より注目されている時期に、改竄せずにリークすればずっと簡単で安全だろう。
逆に、それほどまで官僚と政権が敵対しているのならば、なぜ政権は人事を握りながら何もしないのか。それどころか誤った答弁をした佐川宣寿氏が国税庁長官となったことを、なぜ適材適所と主張したのか。官僚と対立したこと自体を民主党政権の問題と主張していた人々はどこにいったのだろう。


ちなみに時事ドットコムによると、財務省は安倍政権を批判するどころか、問題を過小評価して政権を守ろうとしているらしい。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018030300464&g=pol

 政府関係者によると、財務省では「資料をまとめる過程で多少削るなどした部分はあるが、改ざんには当たらない」との説明で乗り切る案が浮上。別の関係者は「近畿財務局の担当レベルの文書であり、本省幹部は事情を知らない」と語り、政権中枢に累が及ばないよう神経をとがらせている。