法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

「米歴史家20人に対し、日本人学者50人が12日までに反論を発表」の件をメモ

例によってというべきか、産経が報じていた。
【歴史戦】米教科書めぐり日本人学者50人が米歴史家に反論 慰安婦記述「全体の信憑性が問われる」(1/4ページ) - 産経ニュース

これに対する反論文は、伊藤隆東京大学名誉教授や田中英道東北大学名誉教授ら著名学者9人が呼びかけ、有志が署名した。

まあ伊藤隆名誉教授は歴史学者としても、複数の歴史学界が連名で発表した詳細な文章*1と同列にあつかえるものではないだろう。
実際に発表された反論文を見ても、3月に19人の「歴史家」が出した反論*2の延長にすぎない。

2015年3月17日付の19人の日本人歴史家有志による「McGraw−Hill社への是正勧告」は、同社の教科書の慰安婦関係の記述について、わずか2パラグラフ・計26行の中に8カ所も、明らかな事実の誤りがあることを指摘した。

新たな反論といえるのはIWG報告書に言及した部分だけ。

2007年4月の米国IWG報告書が提出されたが、第2次大戦中の慰安婦の問題については、日本政府の戦争犯罪を示す文書は一つも発見されなかった。

日本については、14万2000件の機密文書が確認されたが、慰安婦に関する戦争犯罪を示す文書は何一つ発見されなかった。しかしながら、マグロウヒル社の歴史教科書も、20人の米国歴史家の声明も、このことには一切触れていない。

このデマについては、すでにインターネットで有志が反論している。IWG報告書は再調査において新たな資料が発見されなかったという内容であり、すでに発見されていた資料を否定できる者ではない。
ekesete1のブログ : 【慰安婦】米報告書について誤解を招く産経報道
マイケル・ヨン氏をありがたがっている人たちのための時系列整理 - 誰かの妄想・はてなブログ版