劇場版2作目にしてTV版からつづく後日談としてつくられた1978年のアニメ映画。打ち切られながらマニア人気をあつめたオリジナルTVアニメからつづく、完全新作アニメ。
新作リメイク『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』の評判が良くなく、実際あまり感心できなかったので*1、きちんと原典を確認しておこうと思って視聴した。
しかし『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』のファンからの不評が逆に理解できなくなるくらい、こちらはこちらで良いとは思えない出来だった。一応、当時のリメイクにあたる『宇宙戦艦ヤマト2』のほぼ全話と、後述のノベライズは見ているので、ストーリーの評価は脇におく。
何より良くないのが、約2時間半の長尺なのに映像にメリハリがないこと。ロングショットやクローズアップをおりまぜず、キャラクターの画面にしめるサイズがほとんど変化しない。これは経験が足りない安彦良和の絵コンテに問題がありそうだ。
あまり評価の良くない若桜木虔によるノベライズを所有しており、当時は何度も読んだのでそれなりに物語展開は頭に入っている。比べると、敵の戦艦が日本列島ほどの大きさというような無茶な設定は、SFらしいハッタリがあったと感じられなくもない。
ただ、夜に酒盛りするヤマト乗組員の頭上をカラフルな満艦飾のアンドロメダが通りすぎる場面だけは良い。オマージュした『2202』をここだけは絵作りで圧倒している。