法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『魔法つかいプリキュア!』第26話 想いはみんな一緒!はーちゃんのクッキー

ことはは自分がいるから大切なひとがねらわれつづけると悩み、置き手紙を残して朝日奈家を去る。
そんなことはを心配して追いかけていたモフルンが、おなかのすいたことはのためにクッキーをさしだすが……


たがいを思いやることが、たがいの心を傷つけることもある。そんな少しせのびしたドラマが描かれた。
ことはがクッキーを作る場面にこそ伏線らしき描写はあったが、そのクッキーを食べたみらいとリコが間髪入れず「美味しい」というのは珍しい。迷うことすらない優しさの表現であるし、つい口ごもるほど期待していなかったことの表れでもある。
一方、失われた相手への忠誠心をいだいていたヤモーが最後のアイテムで怪物化するが、通常回のように浄化されてしまった*1。思いやりが届かないこともあるという本筋のドラマに通じるとはいえ、ここしばらく印象深い描写がつづいていただけに、もう少しイベント回らしくしてほしかった。
それでもプリキュア側がまったく心情を知らない哀切な終わりは印象深いが、やはりドラマとして消化してほしかった感は強い。目撃者はいるので後に回収される可能性もないではないが、その目撃者もヤモー個人への興味がないので期待できない。


ただ、第19話*2につづいて藤崎真吾作画監督の仕事は全体にゆきとどいていたので、見た目はイベント回らしくはあった。今作で初参加の村上貴之による演出も、敵幹部退場なりのアクションを表現できていた。路地裏の薄暗い背景美術も良い仕事。

*1:物語の連続性が失われたという意味では、ことはの屋根裏部屋からビーズ飾りが消えているのも疑問。

*2:『魔法つかいプリキュア!』第19話 探検&冒険!魔法のとびらのナゾ! - 法華狼の日記