法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『世界まる見え!テレビ特捜部』世界の危険地帯

今回に目を引いたのは「カメルーンの乗り合いタクシー」。9割が舗装されていない道路を、ズタボロのタクシーが80kmも走っていく。ボンネットはすぐ開くし、ドアは紐で固定するし、タイヤのネジは走行中にゆがみ、サスペンションは同乗していた整備士が針金で止める。とにかく移動の単価をあげるため、屋根に乗せた荷物の上に新しい客を乗せる。
もうひとつ興味深かったのが「あの事故から30年カメラが潜入」。原発事故の起こったチェルノブイリの危険区域を撮影した2011年のドキュメンタリーで、人間の痕跡が廃墟となって残る一方、さまざまな野生動物が数を増している現在を映しだす。報道で知ってはいたが、映像として見る新鮮さがあった。野生動物の巣を見ても、健康に子供が育っていて、少なくとも外見で奇形児などは生まれていない。少なくとも、乱獲していた事故以前に比べて、生息する圧力が低いことはたしからしい。
どちらも現在の情景をそのまま切りとって映すだけで、どうしてそうなったのかの背景には踏みこまないが*1、これはこれでひとつのドキュメンタリーのありかただろう。

*1:後者は調査するのが難しいという理由もある。いくつかの説があることは簡単に説明していた。