法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ドラえもん』『チャンスカメラ』で特ダネ写真を…/ミニハウスでのりきる夏

「『チャンスカメラ』で特ダネ写真を…」は、スネ夫の撮影した事故写真が新聞に掲載され、それをバカにしたのび太が競争をもちかけられる。そこでトラブルを予測して撮影できる秘密道具をつかうが……
 かつて単行本未収録だった原作を2005年リニューアル以降で初アニメ化。子供でもスマートフォンでカメラを携帯する時代になったが、スネ夫の撮影機器をコンデジに改変しつつ、事件にあわてずタイミングを逃さず撮影できる心がまえを語らせることで現代でも成立させている。
 そこからのび太は甚大な事故は止めようと介入することで撮影機会を逃す。火元となるタバコを蚊取り線香に改変したのは、時代にあわせただけでなく、季節感を増した巧さがある。そして偶然に情景をトリミングした写真がオカルトチックな誤解をされる。どれも深読みすればジャーナリズムや報道写真についての風刺と解釈できそうだが、あまり深く踏みこまず多様なトラブルと意外な結果を見せることにてっしていた。
 善聡一郎コンテに志村隆行のキャラ設定および作画監督で映像は良い。鉢植えがならぶベランダのせまそうな構図と、そこで女性が動くアニメーションが、転落事故を起こす展開の映像的な説得力を生んでいる。


「ミニハウスでのりきる夏」は2014年の再放送。2005年リニューアル当初の総監督だった楠葉宏三コンテで、今回の新作前半が監督だった善聡一郎というとりあわせが面白い。
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