法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『Go!プリンセスプリキュア』第39話 夢の花ひらく時!舞え、復活のプリンセス!

カナタの言葉で春野が絶望し、夢ヶ浜を謎のイバラがおおっていく。そして生まれる無数のゼツボーグ。
戻ってきた他のプリキュアたちは、夢が絶えて戦えなくなった春野をのこし、決戦に向かうのだが……


田中裕太シリーズディレクターと田中仁シリーズ構成が、それぞれコンテと脚本。さらに大田和寛作画監督という布陣*1
アクションは全編に見どころがあったが、やはりフローラの自力で戴冠するかのような変身と、回りこみ背景動画と、足を天頂へあげるキック*2が印象に残った。シャットなどは戦闘の数合わせに出ただけのようなものだが、それを自覚する台詞で笑えたので良し。
OPの名乗りが春野だったのは、絶望した状態に合っていないと思ったが、本編を見ると疑問はとけた。あと、EDに映画キャラクターが登場するというサプライズが楽しい。


物語としてはシンプルで、とにかく総力戦の絵力と台詞の詩情で押しきった。それが悪いというわけではなく、無駄な回り道をせずに全力で進んだおかげで、力強さをそのまま受けとることができた。
意外だったのは、カナタや仲間に助けられるのではなく、春野が自分自身の内面を見つめて再起したところ。プリンセスになるという漠然とした夢がやはり最初は両親をも困惑させていて、しかしそれを回想することが再起する力になったこと。カナタが止められても夢を追うのだと断言したこと。
むしろカナタは春野の姿を自身の助けとする*3。「夢は君の全部なんだね」という台詞が印象深い。再起を導くのではなく、再起を認める役割り。王子が試練と承認をあたえる構図は現代的だが、思えば竹取物語のような古典でも見られるか。

*1:やや瞳を大きく、眼窩のまわりを立体的に作画して、頭部を小さめにした絵柄が独特。普段より骨格を感じさせる。ただし他のエピソードと同じく、キャラクターデザインも総作画監督として要所に入っていたことも公式的に語られていた。タナカリオン on Twitter: "@miso_katsu 今週も要所要所で働いてましたやん。"

*2:ドキドキ!プリキュア』の最終決戦を思い出した。

*3:ただ、前回のクローズの台詞から、別の正体がある可能性も感じていたのだが。『Go!プリンセスプリキュア』第38話 怪しいワナ・・・!ひとりぼっちのプリンセス! - 法華狼の日記