法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『SHIROBAKO』の第23話までに感じた不満とか

肉弾で出版社の壁を突破するのは、水島努監督らしい悪ノリではあった。デフォルメ度の高いギャグアニメ『クレヨンしんちゃん』ですら、劇場版で主人公がイジメられたりするパートがつづくのは不評であった。
しかし、それはいい。


どうしても気になったのが、結局は関係者が努力してクオリティを上げることだけが正解とされたこと。
いや、創作のどこかに努力や労力が必要なのはわかる。しかし、あくまで仕事として最低限の労力を期限内に発揮するようなスタッフも必要なのに、活躍しないまま終わってしまった。
そうしたスタッフも全否定しないエクスキューズこそ入っているものの、スタジオタイタニック薬師寺は要求水準にこたえられず降板し、制作進行の平岡は本心では高いクオリティを求めていた。
たとえば、予定外のリテイク作業のため人員がどこにもいないので薬師寺を補佐前提で再登板してもらうとか、フォローになるような展開を期待していた。


時間をしぼりださせて作品に反映させることが肯定されるばかりで、思いつきのリテイクに労力対効果がなかったとかの否定はない。劇中の失敗作『ぷるんぷるん天国』がそれにあたるはずだろうに、反省が木下監督に見られないままだった。
かけるべき労力に見切りをつけたり、リソースを節約しつつクオリティも落とさない技術を描いたり、そうしたエピソードも面白いものだし、それを入れれば展開のバラエティも広がったろうに。それを残念に思っている。