法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

今のところ「日本未来ネットワーク」の内実は不明という話と、白票を個人が投じる権利はあるという話と

当選した特定政治家への否定意見として、白票を投じることが有効と主張する不思議なサイト「日本未来ネットワーク」。
黙ってないで、NO!と言おう。| 日本未来ネットワーク
直前に小学四年生という自称でつくられたサイト「どうして解散するんですか」の正体探しが熱心におこなわれたこともあってか、かなり入念に個人情報を隠している。


それでもさまざまな背後関係が疑われ、私も漫画を見て似ていると思ったことを下記エントリで書いた。
「日本未来ネットワーク」から「論破プロジェクト」の臭いがする - 法華狼の日記
与党を疑う意見が目についたので、他にも疑うことができるという意図ではあった。しかし「論破プロジェクト」の現状もついでに紹介したことが安易だったことは確かで、ここで反省しておく。
実際、作画は似ていないといった複数の指摘がなされ、その意見が正しいと私も思うようになった。
はてなブックマーク - 「日本未来ネットワーク」から「論破プロジェクト」の臭いがする - 法華狼の日記
フォントの種類やデザインから考察していた[twitter:@lunar0]氏が*1、台詞のフォントや吹き出しの形から違いを指摘している。
http://lunar0t.tumblr.com/post/103909652086
http://lunar0t.tumblr.com/post/104241709036/illustrator
しかし多くの批判を集めるような意見は、妥当だが地味な意見より注目を集めてしまうことがある。それも今回の私が反省するべきところ。


サイトは公開後に一部の文言が書きかえられ*2、さらに12月4日の議席予想報道を受けて「追加メッセージ」も書きくわえられている*3

「あんな人に入れたくないんだけど、他に支持したい人もいないから渋々」、「どうせまたあの人が当選するんだから、他に入れたい人も見当たらないし今回は棄権」、という市民の真意を理解することなく、毎度当選を重ね、増長して行く議員達が増えることでしょう。彼等に脅威のプレッシャーを与え、私たち市民の思いに目を向けさせましょう。そして、政治家がやるべき仕事を真剣に取り組んでもらいましょう。
そのための、誰にでもできる有効な手段がこの方法なのです。
選択肢がない時に最も意味のある方法は棄権することではなく、投票所に行って白票を投じてでも、その意思表示をすることです。

ツイッターは宣伝の1ツイートを投下しただけだが、Facebookでは熱心に応答している。
セキュリティチェックが必要です
下記コメントを読むと、漫画は業者に依頼したもののようだ。
日本未来ネットワーク - 投票所に行って、何も書かない「白票」を投じるのは投票したい立候補者がいないという意思表示です... | Facebook

漫画はネットで「漫画制作 商品説明 パンフレット」とかで検索されればお近くの業者さんがみつかります。

想定はしていたが、誠実な業者であれば依頼者の個人情報を明らかにすることはないだろうし、漫画と別個にサイト構築しているならば文面以外で背後関係を洗うのは難しいだろう。


念のため、個人情報を明かさずに政治活動をおこなうこと自体は、全否定されるべきではない。「日本未来ネットワーク」が良くないのは、あくまで主張が間違っているところだ。白票を投じることが意思表示として効果があるという主張は、投票用紙の多くにケネディと書けば政治が変わるという落合信彦著作*4を思い出してしまい、心情的にも理解できない。
しかし「日本未来ネットワーク」とは別個に、白票を投じざる状況は考えられる。たとえば投票所で立会する自治会の人間と、全ての住人が顔見知りなくらい小さな集落であれば、集落が推している候補者へ投票したくないが、投票していないことを知られたくもないという心理から、棄権のかわりに白票なり無効票なりが投じられるかもしれない。
個人的には少しでも良い候補者に投票するしかないと思っているが、どのようなかたちであれ棄権するのも個人の自由であり権利ではある。小選挙区比例代表並立制になって以降、小選挙区への票が常に死票になっているような人間からすると、投票する動機を持つこと自体が大変だという気持ちはわからないではない。

*1:http://lunar0t.tumblr.com/post/103827308786

*2:http://buzzap.jp/news/20141127-mirai-senkyo/

*3:引用時、背景色変更を太字強調へ変えた。

*4:かつては多数の著作を出版していたジャーナリストだが、現在に同じ「ノビー」の愛称で知られる池田信夫氏と同じくらいの人物だと思っている。ちなみに投票行動について、かなり昔に読んだので細部はあやふやだが、少なくとも事実関係で批判されているのは知っており、当時から与太とか思えなかった。