法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

「差別的な言動・科学的に根拠のない言動」が参政党の根幹だから撤回要求に署名できないというならbokkou氏は考えが甘い

東京大学の五月祭で参政党の講演が「妨害」された件は、なぜ言論で対抗しなかったのか?と思わなくもない - 法華狼の日記

学生有志の提示した「誓約書」は強制力などはなかったし、事実として座りこみはかわされて参政党員は先に進むことができた。強制力がないからこそ、あくまで「要望書」と表現しているのだ。
 学生有志は講演前から要望書をSNSで公開して、神谷宗幣氏に通知もおこなっていた*2。直前に批判を提示したわけではないし、不当な批判であれば反論する選択肢もとれた。

 上記エントリに対して、はてなブックマークでid:bokkou氏が下記のようにコメントし、はてなスターを集めていた。
[B! 差別] 東京大学の五月祭で参政党の講演が「妨害」された件は、なぜ言論で対抗しなかったのか?と思わなくもない - 法華狼の日記

bokkou この「要望書」の中身を初めて見た。自民党でも共産党でも参政党でも、党首が自党の根幹を崩すような要求を突きつけられてホイホイ署名するわけがない。これは最初から拒否られ前提。揉めて大暴れが本来の目的でしょ

 具体的な過去の発言を引いて、それが参政党の根幹ゆえ撤回することができないことを可視化したのであれば、要望書に言論として一定の成果があると思わないのだろうか。
 もしも可視化が目的であれば、抗議側が揉めて大暴れする必要はない。


 そして発言の撤回を要求する批判があった時、全面的な撤回か全面的な拒否しか考えられないbokkou氏は、言論で戦うという発想がないことがわかる。
 上記エントリの冒頭で引いたFLASH記事の全体を読めば、現場で取材していた昼間たかし氏も下記のように指摘していることがわかる。
「参政党は本当に講演会をやる気があったのか」東大・五月祭騒動 ルポライターが明かす異様な衝突、現場では党関係者から若者への“暴言”も | Smart FLASH/スマフラ[光文社週刊誌]

そもそも招いた学生団体も参政党も、本当に講演会をやる気があったのか、甚だ疑問です。講演会を開催したいのであれば、座り込みをしている学生も含めて『多様な意見を聞く』などと言い含める努力はするでしょう。求められた誓約書にだって、サインはしなくても『差別発言なんかしませんよ』などといって、折り合いをつけるはずです。

 昼間氏らの取材を参照すると、今件で大暴れといえるほど多人数で押しかけ、暴力的な発言までおこなったのは、どちらかといえば参政党側だったようだ*1。撤回要求に反論などで応じる発想がないという点において、bokkou氏と参政党の距離はいくばくもない。


 そもそも、主に陰謀論問題や非科学的主張の方向から参政党の問題を追いつづけていた人々は、支持をあつめるためならば参政党は無責任に主張をひっこめることを以前から指摘している。


「陰謀論支持者が望む言説を使って土台を築いておきながら、いざという時にはそこから逃げてしまう参政党」

まさにこれが提示したかったこと。

雨宮純さんによる「参政党と大陰謀論時代」の書評。こんなに私の活動を評価してくれる人がいるのは本当にありがたいことです
書評:『参政党と大陰謀論時代』―今読まれるべき冒険の記録―|雨宮純

 私自身も爆破予告で講演が中止になったことに初めて言及したエントリで、下記のようにコメント欄で補足した。
戦時性暴力の資料館への爆破予告は面白がっていた「5億円 2017 @Beriya」氏が、東京大学の参政党講演中止では「抗議した連中が直接やったものでなくとも、どう見られるかは火を見るより明らか」と他人事のように論じていた - 法華狼の日記

学生が提示した要望書の内容をかわすことすらできなかった参政党の稚拙さこそ印象的ですね。本当にやばい政治家や詐欺師であれば、あの要望書にサインして守ってみせたうえで講演を自己宣伝の場として利用できてしまう。

 実際に2026年の衆院選でたまたま候補者の演説を聞けた範囲では、スピリチュアルや疑似科学的な発言はもちろん、直接的な排外主義も抑制はしていた。
 そう考えてみると、妥協や演出を今件の講演で参政党が選択しなかったのはなぜだろうか。
 言論で戦わないことを選びながら言論を奪われた被害者を装うために、ことさら要望が不当で強制的であるかのように見せかけたかったのかもしれない。
 実際の参政党側の意図はわからないが、そうした参政党の見せかけに騙されている人は少なくないようだ。

*1:藤倉善郎氏の取材にもとづき、各派の動きをアイコンで説明したYOUTUBEが興味深い。そもそも出入口が複数あり、抗議者の人数では最初から完全に封鎖できなかったことがわかる。 www.youtube.com