法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『名探偵プリキュア!』第18話 名探偵の共演(アッセンブル)

 宝生美術館で今度はガラスアーティスト新堂美佐子の展覧会がおこなわれることになった。しかし作品の搬入中に自動で偽のガラス靴がばらまかれ、混乱しているあいだに本物が盗まれてしまう。
 明智と小林が美術館の外まで調査をつづけているところに、江戸川コナンという男子と出会う。その保護者として、毛利蘭という少女と、毛利小五郎という名探偵があらわれて……


 村山功シリーズ構成の脚本、川崎弘二シリーズディレクターのコンテでおくる『名探偵コナン』とのコラボ回。演出は新人の大河聡。
 前回*1の予告映像で驚かされた以上にしっかり『名探偵コナン』に要素をよせている。前半で美術館の窓越しに犯人らしき影が作画されたり*2、Aパートの終わりで扉が音をたてて閉じたり。番組最後の視聴者投稿の似顔絵に『名探偵コナン』のキャラクターが描いた絵をまぎれこませている遊びも驚かされた。
 盗み出すためのトリックと対応する推理も複数あって複雑。特に、ガラスの靴を隠した手法で高度な理科知識を利用していて、いつも以上に対象年齢をあげていた。明智を眠らせてコナンが語った推理を聞いて小林が混乱するくらいに。一応は知っていたものの、一般的な知識とはいいづらいのでミステリとしてアンフェアと思うが、真犯人に怪しい行動をさせていることや、ガラスを液体に入れて透明化させる豆知識を先に言及しているので、視聴者が解けるようにはなっている。揮発して臭う液体であることに言及しておけば、もっと良かった。実験室での出来事なので、不審な悪臭をごまかすことは難しくないはず。
 アクションアニメとしてもコラボ対象に敬意をはらっていて、正体をあらわしたニジーを蘭が格闘技でうちのめし、それでも逃げたところをコナンのサッカーボールが叩きのめす。さらにプリキュアもスペシャルな必殺技のようにボールを蹴ってハンニンダーを攻撃する。
 作画も力が入っていて、作画監督は玖遠らぎ名義の上野ケン。原画に藤原未来夫など。『名探偵コナン』のキャラクターデザインを華やかなガールズアクションアニメに落としこんでいて、過去の『ルパン三世vs名探偵コナン』*3のような異なる絵柄が同じ画面に同居している違和感を抑えている。


『名探偵コナン』の熱心なファンではないが劇場版くらいは追っている視聴者としては、力をいれつつ相互の設定を尊重した楽しいコラボ回だと思えた。
 放送前の対談記事*4からすると『プリキュア』側からもちかけ、原作者の監修も入っているらしい。謎を解いてからアクションで解決する番組フォーマットは、たしかに指摘されると似ている。

*1:『名探偵プリキュア!』第17話 お母さんとの思い出 - 法華狼の日記

*2:ただ真相からすると、この時すでに真犯人は美術館の外に出ていたはずだが。外に出ていったなかに犯人がいるパターンだろうと思いながら視聴していたので、無駄に混乱させられた。

*3:『ルパン三世vs名探偵コナン』 - 法華狼の日記

*4:『コナン』×『プリキュア』はなぜ成立したのか 異色コラボ誕生の裏側に迫る【前編】 - 1ページ目 - アニメ - インタビュー |クランクイン!