法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『烈車戦隊トッキュウジャー』第25駅 おとぎ話が飛び出して

演出は竹本昇監督。生身でのアクションが多かった前回に対して、今回はスーツでのアクションがたっぷり。VFXを組みあわせて、生身とは一味違った映像を作りだしている。
他の幹部が脱落したため表舞台に出たネロ男爵が強かったり、そのシルクハットが飛び道具になる設定が意外で面白い。なおかつ飛び道具が使いづらそうで、トカッチの空想したヒーローが剣技しか持っていないことと、良いバランスがとれている。敵の強さが表現されつつ、互角に戦える説得力がある。
ロケ地は過去に使われた場所ばかりだが、皇帝と主人公の上下関係を意識した構図や、橋の下での長い殺陣で新鮮味が生まれていた。


物語は、おとぎ話のキャラクターを敵が実体化させる、よくあるパターンのひとつ。しかし闇の力のために皇帝の望む「キラキラ」が失われ、おとぎ話パロディのような状況となる。ここで敵も味方も望まぬ展開になったまま、おとぎ話パロディから少しずつ逸脱していく。トカッチの空想したヒーローが参加することで、フィクション全般つまりイマジネーションの価値を力強く描く物語となった。
結末でシュバルツ将軍の生存も確定。多くの視聴者が思っただろう「やはり生きていたか」というツッコミを、シュバルツ将軍自身が別の存在に対していう台詞が、気がきいていた。