今回はOPで2号がころぶ。しかし受け身をとっていて、これまでのような間抜けさがないのが戦隊ブルーらしい。
本編は、前回までの流れを受け、主人公たちが故郷にたどりつくため、初めてシャドウラインに突入する。同じ小林靖子メインライターの『特命戦隊ゴーバスターズ』で中盤にあった展開を、この作品らしくファンタジックに描いたといったところか。
そして今作の特色ながら活用例が少なかった乗り換え設定を、ついに必然性ある能力として位置づけた。仲間の力を受けついでいくドラマとしての盛り上がりもあった。
グリッタ嬢やシュバルツ将軍の再起もにおわされ、ノア夫人の顛末もそれらしく収められ、6号やネロ男爵にも役割がきちんとある。全ての登場人物が無駄なく活用されていた。皇帝ゼットの思想にネロ男爵が理解を示したところなど、強い忠誠心を持ちながら盲目でも頑迷でもない性格があらわれていた。
映像面でも前回や前々回よりもアクションや特撮が充実していて、予想外に良かった。生身で戦わなければならないための、雑魚敵をふりはらうだけの戦闘も新鮮だ。パルクールのようなライトの疾走など、スーパー戦隊では珍しいアクションだ。
闇に落ちていた地域が回復したことを、ビル群がそそりたっていく遠景で表現した結末も、特撮ドラマならではの面白い情景だった。
