今回は長峯達也コンテに岩井隆央演出で、絵作りに力が入っている。簡素な風景に桜吹雪だけが流れる構図で『ハートキャッチプリキュア！』第37話と第38話を思い出したのも、後者が長峯達也演出回だったので当然だろう。
作画監督は星野守だが、過去回と比べて絵柄の癖が抑えられ、ちょうどいい柔らかさ。成人男子が面長になっているところは、むしろ年齢表現として上手。
ただし物語の動きはそれほどなかった。これまで伏線をはったりしてきた情報をまとめ、プリキュアチームが情報と心情を共有する、静かなドラマとして終わる。新たな情報というと、敵組織の黒幕を新たににおわせたくらいか。
クライマックスらしい展開というと新アイテムだが、今回はそれほど出番がない。敵幹部3人が浄化されかけるが、解除されて後を引かない。
10周年挨拶はキュアピース。初期のキュアマーチは本編通りに華美さが少なめで、結果的に川村敏江作画の良さが薄れていたが、キュアピースは少し頭身を高く成長させつつ華美な絵柄で、実に眼福。
