法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『健全ロボ ダイミダラー』構成の感想

エロスをエネルギーにして動くロボットという設定だが、同期の『キャプテン・アース』に比べて頭の悪さと反動ぶりが際立っていた。怪獣映画を思わせる構図や情景の多用も、意図的な古臭さを感じたもの。
しかしチャクラを持ち出して人型であることの必然性を説明したり、ペンギンとニンゲンの関係をエネルギー設定で説明したりと、奇妙にSFっぽいつじつまあわせをしていることには感心した。
「健全」という言葉のあつかいについても、エロスを屁理屈で肯定しているだけのようでいて、敵対する人物との口喧嘩が同レベルという目くばせは悪くなかった。利己的な行動まで全肯定しているわけではないというエクスキューズのようなもの。


そして迎えた最終回、バラード調の主題歌にあわせてEDクレジットが流れる中、あわただしく敵対組織のSF設定が開示され、世界から去っていく。
原作が連載中でも、きちんとTVアニメだけで完結させようとする誠実さを感じつつ、主題歌と重なりあって聞こえにくい説明台詞と、直前までの戦闘と直接の関係がない設定開示とで、あたかも全13話予定の作品が短縮されて全12話になったかのような印象を受けた。
このEDでのつめこみぶりには既視感がある。2013年初頭のTVアニメ『閃乱カグラ』だ。


閃乱カグラ』も全12話。同じように終盤ぎりぎりまで物語は完結せず、敵首領を屋根上に追いつめた場面からEDクレジットが流れるという奇妙な構成。EDクレジットが終わってから激しいバトルをじっくり見せるというわけでもなく、だらだらした流れで終わってしまった。
刑事ドラマのような展開といえなくもないが、当初のライバルとの戦いを棚上げしてのラスボス戦だったこともあり、消化不良という印象が残った。


そこで両作品のメインスタッフを見比べると、共通しているのは吉岡たかをシリーズ構成。バカバカしい企画でも、ていねいな作品にしようとする真面目な脚本家という印象があったが、きちんと1クールなりに完結させようとすることで、逆に窮屈な作りにしてしまいがちなのかもしれない。