法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

天安門事件と、軍の前に立つ人々

1989年6月4日に起きた六四天安門事件から25年がたった。


列をなして進む戦車の前に、ひとりの男が立ちはだかった写真がある。
「戦車男」撮影は奇跡−天安門事件25年でカメラマン語る

いったん先頭の戦車は停止し、何度か方向を変えてよけようとしたが、それでも男は車体にはいあがっていった。
複数の写真や映像で残され、「無名の反逆者」とも「戦車男」とも呼ばれているが、男をよけようとした戦車兵ともども正体はわかっていない。


これを少し思わせる写真がある。
宮古島米軍寄航とボランティアをめぐるナイーブ - 法華狼の日記

現地の自粛要請を無視して上陸し、海岸清掃という一種のパフォーマンスを行い、目前の抗議にも無視し続けたわけだ。

スラウ艦長達が自身の判断で抗議を聞き入れて「ボランティア」を自らの意思でやめることは難しかったのかもしれない。逆に行動が制限される軍人なりに誠意や善意を示そうとしたパフォーマンスなのかもしれない。

これを琉球新報の報じた写真は下記のとおり。

もちろん、それぞれ固有のできごとを映した写真であって、全く同じではない。


しかし琉球新報の写真については、エントリを上げて以降も何度となくナイーブな反応を見かけ、しこりとして残っている。

[twitter:@nekoguruma]氏は従軍慰安婦問題の否認論者で*1、[twitter:@GENTHALf]氏はパクツイして開き直るような人物である。
「隣は違法看板」の写真が無断転載されてトレンド画像になるまで - NAVER まとめ
両氏のツイートを見ていると、天安門事件で戦車兵が男を轢き殺さなかったのは、何のためだったのかと思う。


冒頭の写真を撮ったカメラマンは、下記のように当時をふりかえっている。

当時は人々がストレスを抱え、怒りっぽくて不機嫌になっていた。そんな中で、ある女性警官が多少なりともストレスを和らげていた。子供たちがやって来て、警察官たちに水を渡すこともあった。警察官の中にはデモ隊に同情的な人も一部にいたが、それでも彼らは職務を遂行しなければならなかった。

この証言が天安門事件を否定する証拠になることは、もちろんないはずだ。