法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ドラえもん』のび太のエビフライ/たすけて!助け船

OP映像が3DCG映画版を編集したものに変更。本編は前後ともにアニメオリジナル。


のび太のエビフライ」は水野宗徳脚本で伊藤公志脚本協力*1。ネズミが出てきたため秘密道具「ルームガードセット」を台所にしかけたところ、無意識に合言葉を入力してしまい、しめだされてしまう。
揚げたてのエビフライを食べたいという動機から、のび太ドラえもん、ママの3人が協力して秘密道具を突破しようとする。原作で同じ秘密道具が出てきた時は部屋にたてこもっており、それとは正反対のオリジナリティある展開が楽しめた。
合言葉と思われる言葉を試していったり、陽動作戦でガードロボを止めようとしたり、庭から回りこんでみたり……ただ思いつきで動くのではなく、秘密道具の特性を観察して推理し、作戦を立案して実行していく。なかなか頭脳的な展開で良かった。
ガードロボの恐ろしさもよく表現されていた。スモールライトで縮小して縁の下から侵入しようとする場面も、薄暗がりの広い空間が画面に映える。


「たすけて!助け船」では、人助けで新聞記事になった出木杉をうらやんで、のび太が秘密道具「助け舟」で人々を助けようとする。
わりと力技でひねりのない展開。陸上に浮かぶ舟という道具の特性は活用されるが、つまり人助けとはほとんど関係ない部分が物語の大半をしめるわけで。オチも、てっきり助けた相手が犯罪者だとばかり思ったら、重心が崩れて落ちるだけだったという。
しかし三輪修作画監督でキャラクター作画が良好。豊かな表情と活き活きとした動きが楽しめた。腰繁男コンテは横位置のレイアウトばかりだが、逆にアニメーションとしての面白味がうまく抽出されていた。白眉は、ジャイアンを助ける時の複雑な動きの階層表現。

*1:5月2日にも脚本協力していたようだが、検索してもどのような人物なのかよくわからない。