法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

態度の問題であることと、学者として問題があることは、必ずしも相反しないのではないか

上記ツイートに応じた「説得や意見表明を離れたデモにテロに似たところがある」という「ど真ん中の左翼」 - 法華狼の日記に対して、id:zaikabou氏から補足があった。
はてなブックマーク - 「説得や意見表明を離れたデモにテロに似たところがある」という「ど真ん中の左翼」 - 法華狼の日記

zaikabou
菊池誠氏についてのニュアンスはこれをお読みください。あとの御三方もその線で類推願います http://b.hatena.ne.jp/entry/d.hatena.ne.jp/kanose/20120622/kikumaco 2014/04/08

しかし当時に下記エントリをあげたように、菊池誠教授とは趣味分野で全く意見があわないという問題が個人的にある。
菊池誠氏がSF読者としてダメだと思ったことはある - 法華狼の日記
そのため、かなり興味関心が重なる分野で活躍している学者ではあるが、あまり視界に入れないようにしてきた。上記エントリでも書いたように、観測範囲をしぼっているため、ことさら私が批判したくなるような主張が目に入りにくく、何ともいいがたい。


ただ、示されたはてなブックマークを読み返すと、少し思うところはある。
はてなブックマーク - 菊池誠氏は科学者としてダメというが、どの辺がダメなのか誰か説明して欲しい - ARTIFACT@ハテナ系

salmo ( ゚д゚) 原発
ネットの情報ソースとしてはかなり上質な部類だろうが。ここで騒いでる自称はてサって氏よりましなソースを示せんのかね?「とにかく気に入らないから叩くんでちゅ〜」を去年から見続けて辟易。 2012/07/26

最新コメントは上記のように、菊池教授をかなり上質と評価して、「はてサ」を嫌っているようだ。
ちなみにsalmo氏とは以前に何度かやりとりしたことがあり*1、それが「はてサ」を嫌う一因となってしまったのだろう。
しかしsalmo氏は、上記コメントを残した2ヵ月後くらいにツイッターで菊池教授と論争し、批判エントリをブログにあげていた。
菊池先生、環境教育を馬鹿にしないでください - ならなしとり

そもそも最初はエビデンスやケースバイケースなんて一言も言ってないわけで議論で悪手とされるアドホックな言い訳ですよねこれ。
菊池氏の失点を3行でまとめると
主語が不明瞭
現実を見ない
面子に拘泥しすぎ

ここでいわれている「失点」は、口調などではなく議論の進めかたであり、態度問題でありつつも学者としての誠実さに関わっている。
この評価が菊池教授に対するものとして正しいかどうか、私の立場からはさておきたい。しかし私自身が体験したこととして、石破幹事長発言に同調した大屋教授への評価には当てはまると思う。
この「失点」が難しいのは、情報や結論にしか興味がない第三者にはわかりにくいが、相対して論争している者には明らかに不誠実な問題として感じられること。だから第三者と相対している者とで評価が乖離していくのかもしれない。


先述したように、大屋教授だけ何度か相対し、菊池教授の発言は避けている。残りの2氏は興味ある分野がずれているため、ほぼ完全に第三者としてしか判断できない。ただ、残りの2氏ははてなユーザーなので、はてな界隈で話題になる時の条件が菊池教授や大屋教授とは土台から異なるような気がする。
一応、shinichiroinaba氏については、リフレ推進をめぐって「はてサ」の一部と争いがあることは知っているが。

しかし私個人はというと、十年以上前に森永卓郎氏のリフレ推進主張を読んで説得力を感じたことがあるくらいで、現在進行している論争にはほとんどふれていない。消費税増税生活保護しめつけといった安倍政権のふるまいがリフレ派として気にかからないのか、それが気にかかるくらい。
ただ、大屋教授の下記ツイートにしたがうなら、「サヨク」は今後の景気回復よりも目前の生活保護受給者を優先しなくてはならないのではないか、などと考えたりする。対談したばかりのshinichiroinaba氏はどう思うだろうか。

wlj-Friday氏についても、何度か批判を見聞きしたものの、やはり熱心に批判されている場面を見たことがない。とりあえず最近に目にした下記エントリの論争では、shinichiroinaba氏よりもwlj-Friday氏に軍配をあげたいところ。
「宇宙SFの現在」の感想 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
ただ物語に対する評価は正反対なことが多い。
かつてwlj-Friday氏は下記記事で、アートが社会問題にコミットすることを否定し、憶測した創作者の動機を根拠にして目障りだといいながら、偽書『アイアンマウンテン報告』を反語的なジョークと知りつつ高評価したことがある。全く同意できないし、どうして偽書は目障りに感じないのかと疑問に思った。
diatxt. 連載 #2

*1:http://d.hatena.ne.jp/hokke-ookami/20110103/1294073375等。自分でも面倒くさい文章だと思うが、これでも自分なりに誠実たろうと努力はしたつもりではある。届かなければ意味はないとしても後悔はしない。なお、以前に無視すると宣言されたことがあるので、idコールをおこなわない。http://d.hatena.ne.jp/hokke-ookami/20120320/1332437264