法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『HUGっと!プリキュア』第47話 最終決戦!みんなの明日を取り戻す!

巨大怪物化したクライへ対峙するプリキュアたちの前に、敵幹部としてリストルとビシンが立ちはだかる。そこに元敵幹部がプリキュアの支援へとやってきた……


脚本は例によって坪田文シリーズ構成。しかしサブタイトルにあるように最終決戦で、これまでの敵味方が集結しながら、ダウナーな雰囲気がただよっている。残った敵幹部の浄化も、すでにドラマとして語るべきことは終わっており、消化試合のようだ。
しかしこのアンチドラマチックぶりは、ヒーローアクションアニメとしては欠点ではあろうが、さほど悪い印象ではない。長期シリーズの決戦が消化不良になりがちな問題をふせいでいるし、前へ進む情熱を失った敵組織の雰囲気にもあっている。


ただ映像面まで弱い問題はいかんともしがたい。
交代で総作画監督をつとめてきた宮本絵美子と山岡直子が共同で作画監督をつとめ、アクションが全体的にパッとしない。さすがにキャラクター作画は整えられているものの、アクション作画の目立った見せ場は使いまわしのような描写ばかりで、リストルが走ってくる場面のパースなどレイアウトも全体的にゆるい。
若手演出家の川崎弘二がコンテもふくめた演出をまかされているが、これまでの東映若手にありがちな冒険心というか、奇をてらった表現や無茶な見せ場を作ろうとする意識が感じられない。そういう演出家のほうが無理せず大成していくのかもしれないが、まだ若い時は失敗してもいいから無理を見せてほしいというのが無責任な視聴者の正直な感想だ。