法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ドラえもん』会いたいヒト回転寿司/コピー頭脳でラクしよう

今週は、前半がアニメオリジナルで、後半は原作をほぼ踏襲。
来週は3時間SPで、映画『ひみつ道具博物館』も放映。アニメオリジナルながら評判が良かったのだが、残念ながら見る余裕がないまま上映期間が終わってしまった。


「会いたいヒト回転寿司」は、巨大な回転寿司のような秘密道具が登場。会いたい人をマイクに吹きこむと、その人物がベルトに乗って出てくる。
ちょっとストーリー優先の設定が鼻につかないでもないが、ボケた描写や設定にきちんとツッコミを入れており、シンプルな設定からさまざまな成功や失敗を見せて楽しませてくれた。子供部屋ひとつを舞台にしているという趣向も面白い。「しずか」を呼び出した時に亀井静香荒川静香そっくりのキャラクターが流れてきて、それを台詞で説明していないセンスも良かった。
コンテ演出は来週放映の映画を監督した寺本幸代。ただでさえ狭い部屋が秘密道具でさらに狭くなっているのに、映像が破綻していないところが地味に巧い。表情芝居はそれほど多くないが、最後のジト目は大笑いさせてもらった。


「コピー頭脳でラクしよう」は、自分の思考をコピーした秘密道具を動物につけることで、動物が分身のようになる。
いったんコピーした後なのに、強く思うことで影響を与えられる描写は原作通り。正直にいうと、あまり設定が厳密でないエピソードなのだ。コピー側が自分を本物と思い込むというオチもありきたりで、同種エピソードに比べて意外性がない。
しかし今回のアニメ化は、やたら作画枚数を使った芝居が多くて、巧拙を超えた印象が生まれた。さほどエピソードを増やしていないかわりに、あまった尺で細かな動作をていねいに描写し、奇妙な実在感が生まれている。
作画監督は菊地功一で、『イナズマイレブン』シリーズや、『宇宙兄弟』で活躍していたアニメーター。ちょっと描きなれていないかのような癖は感じたが、猫の動きなどがやたらていねいでなめらかだった。