津川雅彦の京都国際映画祭の準備委員会発足会見で放言し、産経新聞が伝えていた。
http://sankei.jp.msn.com/west/west_life/news/131205/wlf13120516050012-n1.htm
まず、日本映画発祥の地である京都の全盛期(昭和20〜30年代?)の光景について、「四条大橋あたりでロケーションをしていますと、警察の人が出てきて『本番!』といって市電を止めてくれるんですよ。それと、黒山の人だかりになっている通行人には、ヤクザの皆さんが『おい、黙っとれや!』と言うと静かになる。(かつては)警察からヤクザまで市民がこぞって映画を支持し、誇りに思っていてくれた」
こんな場面でヤクザ肯定を堂々とされても。しかし現代のフィルムコミッション活動はどう思っているのだろうか。市民が助ける映画制作というのは、映画『郡上一揆』のように左翼的な側面だって強いのではないか。
http://sankei.jp.msn.com/west/west_life/news/131205/wlf13120516050012-n2.htm
さらに、日本映画衰退については−。
「特に時代劇は、日教組が悪くて、子供に歴史を教えないもんですから。『左翼にあらずんば映画人にあらず』ということで、山田洋次(監督)の『武士の一分』なんて、見ていてくすぐったくてね。『武士というのはだらしのないダメな職業』ということを描きたいために時代劇をやる監督が撮って、ダメになってきたんですから」と批判も飛び出した。
邦画は黒澤明『羅生門』から駄目になったという新説。武士の駄目さを描くのはリアリズムであって、むしろ史実を参照した結果ではないだろうか。
たしかにアンチテーゼがテーゼになればマンネリズムにおちいるが、武士のだらしなさをきちんと描けば面白い映画にもなるだろう。
「国際映画祭ですから、韓国からも…来るかな? インドは面白いですね。イランも面白いですね。フランスが面白くなりました。フランスもかつては左翼で、面白くなかったんですが…」
石原慎太郎みたいなことをいっている。国際映画祭にかかわる会見で左翼嫌悪を公言する必要がどこにあるのだろう。