たとえば、良く動く作画を全て「ヌルヌル」と評することを禁じたい気持ちが以前からあったのだが、心情の衝突と葛藤を全て「ドロドロ」と評することも禁じたい。
もちろん、感想は個々人の自由な感情の表明であるべきという意見もわかる。ここでいう「禁じたい」もまた、感情的な反発の表明ではある。
ただ同じ感想にしても、もっと細やかな違いを言語化してほしいという願いは持っている。たとえば『凪のあすから』と『WHITE ALBUM2』は、たしかに恋愛感情の行きちがいとまるめれば同じかもしれないが、作品それぞれの目指す方向などは全く違う。
もちろん私自身に対しても、語彙を増やして感情を適切な言葉として述べたいという気持ちは常に持っているのだが。それに作品の感想を書くことで当初の新鮮な感動が薄れていくような気持ちも、何度かおぼえている。
