法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ドラえもん』ハロウィンって何の日?/味見スプーン

前回に続いて、夏休みプレゼントに当たった保育園の様子を冒頭で見せる。てっきりドラえもん着ぐるみが会いに行くのは一箇所だけだと思っていたのだが。
http://www.tv-asahi.co.jp/doraemon/mini/0010/index.html
園児が作ったというドラみこしの完成度が高い。目のあたりがよくある間違いをおかしているし、もちろん123.9kgはないだろうが、全体の雰囲気はよく再現できている。


「ハロウィンって何の日?」はアニメオリジナル。思えば、ハロウィンが行事としてそれなりに定着する前に、原作者が亡くなられたわけか。
新聞紙でカブトを折ってかぶっている野比のび太が笑われているが、まるでロビンフッドのような出木杉の仮装もよくわからない。妖精のつもりなのだろうか。
そして物語展開だが、あまり感心できなかった。ジャイアンが欲望のおもむくまま周囲をけちらしていくのだが、結果としてアニメオリジナルの秘密道具の描写が印象に残らず、勘違いしたままなのでハロウィンの正確な知識を学ぶきっかけにもならず。


「味見スプーン」もアニメオリジナルで、写真から味見用のひとくちだけ料理をすくえるスプーンが登場。何度も味見するには複数のスプーンが必要。
脚本の田中智章は2度目の登板で、昨年11月以来。秘密道具は今年の誕生日SPにも登場した「テレビとりもち」の変種にすぎず、道具の意外な使い方や落とし穴が描かれたわけでもないが、子供視聴者へグルメアニメのエッセンスを伝えるエピソードとしては悪くなかったと思う。世界三大珍味を実際に食べてみるとたいしたことないという感想も、けっこう藤子F作品らしい辛辣さ。オチとなるスウェーデンの有名な缶詰を描写する時、それぞれの文化で嗜好は変わると注意していたのも良かった。
作画監督はベテランの小林一幸が初登板。描きなれていないのか手癖が目立ってしまったのか、線がよたっているように感じた。嫌いな作画ではないが。