法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ドキドキ!プリキュア』第37話 なおせ好きキライ!ニンジンVS亜久里!

プリキュアが農家体験をするエピソードは過去シリーズから何度もあったが、今回は見ていてきつかった。
ニンジン嫌いをやめさせようと主人公たちが奮闘するのだが、全体として食べたくない側の心理問題にのみ注目し、食べさせようとする側に工夫する余地があることを無視している。
カレーに入ったニンジンなら、すりおろして炒めたり、加熱して潰したりして、ペースト状にしておけば気にせず食べられるだろう。スイーツ好きという個性をもっているキャラクターには、ニンジンをメインに使った菓子を作ったりして、ゆっくり食材に慣れさせてもいい。


もちろん、心理的なアプローチも効果的ではある。しかし説得するため始めたのが、いきなり「食育」の講義。あくまで栄養学の話にとどめていたが、それはそれで健康オタクでなければ説得されるわけがない。当然のように失敗した。
次の試行錯誤は、ニンジン農家で農業体験。たしかに自分で育てて収穫することで農作物に愛着をもてば、食材への理解も増すし、食欲がわきやすいだろう。しかし、誰もが農業を実体験できるわけではないし、作中のような農法が現代日本で一般的といえるだろうか。
乾燥発酵させているだろうとはいえ、家畜の糞を使った堆肥を、わざわざ素手でまくことにこだわっていたのも疑問だ。免疫力の弱い子供なのだから感染症に気を使ってほしいし、ここはむしろ一方的な思い入れの危険性を注意してほしかった。
終盤を見ても、実質的に味の濃いキンピラにしたてることで食べられているのだから、やはり調理法を変えるだけの描写で今回は問題なかったのでは。農業体験と同じように対象への理解を深めつつ、都会育ちでも体験することが難しくなくて、自分好みの味付けにすることもできるはず。