法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『キラキラ☆プリキュアアラモード』第20話 憧れまぜまぜ!いちかとシエル!

スイーツショップを取材していた宇佐美いちか達は、キラ星シエルを追いつづけて苺山の養蜂場にやってくる。
その山でとれた食材とハチミツを使って、宇佐美とキラ星はパンケーキを作ってふるまうが……


まだまだキラ星は正体をあらわさず、プリキュアに変身したりもしない*1。それでも物語に乗せてプリキュアに憧れる台詞や、正体をにおわせる語尾、苺山について昔から知っている台詞などで、少しずつ宇佐美に情報をもらしていく。
キュアホイップに対するキラ星の関係性が、変身前から逆転していることも楽しい。変身物のパターンではあるが、変身前後でキャラクター性の変化が少ないプリキュアシリーズでは意外と少ない。
全体としても、養蜂場に向かうという今回の目標と、より良いパティシエになるという作品の目標が、ストーリーとしてとけあっていて、キラ星と宇佐美の対照的なありようもわかりやすく表現。以前のエピソード*2を引いたPR動画作りで、有栖川や立神の出番も確保。
製菓技術ではキラ星が圧倒しているが、思いによりそうことで普通の味でも楽しませられるという結論も良かった。技術の大切さをきちんと描きつつ、それだけではない製菓の意味を描いている。それも漠然とした精神論ではなく、食べさせたい人との直前の会話を受けた説得的なもの。たしかに料理の味は見た目や思い出によって変わるものだ。
ただひとつ、苺山から自然の食材を採る時、そこが養蜂場の土地で先に許可をとっている、等の台詞がないのが残念だった。現状でも視聴者側で説明をつけられるものの、子供向け番組なのだから明示はしてほしい。

*1:ビブリーの正体が、操っているはずの人形に操られた少女で、キラ星の正体である妖精によってプリキュア化するような展開は……あれば楽しいかもしれないが、このシリーズでそこまで複雑などんでん返しはたぶんない。

*2:『キラキラ☆プリキュアアラモード』第13話 ムリムリ!ひまり、まさかのデビュー! - 法華狼の日記