法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『最強銀河 究極ゼロ 〜バトルスピリッツ〜』1話 登場!アルティメットだ一番星!!/2話 究極祭だ! 俺は灼熱のゼロ!!

渡辺正樹監督と冨岡淳広シリーズ構成は続投しつつ、石川てつやキャラクターデザインによる濃厚な絵柄が面白い、全く新しい『バトルスピリッツ』シリーズ。
キャラクター作画に影とハイライトがみっちりついているだけでなく、メカニックは手描き作画で良く動き、画面分割するための線が書き文字で、画面全体の情報量が高い。リソース投入がインフレしていた1990年代のアニメ作品を、最新のアニメ技術で再現しようとしているかのよう。
さすがに2話に入ると落ち着いたかと思いきや、敵の小芝居がこぎみよく動くし、主人公の新しい変身バンクがさっそく描かれるという。画面を見ているだけで楽しい。


主人公は変身の前後でほとんど性格が変わらない、傲慢で英雄的な存在。その主人公に助けられる子供たちと倒される三下たち。ライバルは1話で顔見せしたにとどまる。主人公ひとりの強さがつきぬけていて、ここまで来ると反感よりも楽しさをおぼえる。
新システム「アルティメット」も、その名称にふさわしい圧倒的な強さが描かれる。しかしあまりに強く見せすぎていて、ゲームで駆け引きしているという面白味が今のところ感じられない。
さらに主人公の活躍と強さを何度も見せようとするあまり、1回の放映で複数回の試合を描いて、バトルの過程が大幅に省略されている。『バトルスピリッツ』シリーズは2作目から各ターンの各過程を全て説明描写するようになったが、その特色が消えてしまった。
今はアルティメットの強さを印象づける段階であって、いずれ同じシステムを持つライバルや強敵と対峙するようになれば面白いバトルが見られるだろうと期待したいが。