法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『宇宙戦艦ヤマト2199』第21話 第十七収容所惑星

拉致された森雪は、いったん収容所惑星へ送られた。それを追うことになった古代進たち。
ガミラス帝国において危険視された反体制者と、辺境惑星の汚れ仕事を押しつけられた下層階級者と、偵察行動を利用してヤマトから脱出した反乱者。
勘違いと詐術ですれ違いながら、物語社会の中心から疎外された者たちのドラマが展開される。


ほとんどキャラクターもストーリーも定石とはいえ、毛色の変わった物語がアニメオリジナルで展開され、新鮮な気持ちで楽しむことができた。
前回に欲しいと思った展開*1も今回に。もう少し保安部隊らしい対人戦闘力を見せてから倒れてほしいとは思いつつ、人間関係をひっかきまわして主人公側に疑問符をつきつけるキャラクターとしては必要充分な活躍だった。
他には、純粋なガミラス人とみなされない鬱屈をかかえた敵青年が、その社会背景をいかしきった描写がされており、ゲストキャラクターながら印象に残った。


収容所での反乱劇ということで、多人数がアクションする描写が必要なところを、よく手描き作画で動いていたところも感動した。群集がきちんと個別に動くアニメーションは映画でも難しいのだが、破綻していない。狭い操縦席内の格闘など、地味に難しいカットもこなせていた。
EDクレジットを見ると、中山勝一監督が演出していたり、松原秀典作画監督の一人だったりと、現カラー旧ガイナックスのアニメーターが何人か参加している。