法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ドラえもん』あべこべ世界ミラー/のび太の秘密トンネル

原作からアニメ化した二本立て。のび太の性格がいいという結論の前半と、のび太のクズっぷりが輝いている後半の取り合わせ。このシリーズ構成はどうなんだ。


「あべこべ世界ミラー」は内容の薄い原作をほぼそのままアニメ化していて、ちょっと間延びしていると感じた。しずちゃんの出番を足したくらい。
原作は頁数そのものは8頁と平均的なのだが、『ドラえもん』には珍しく過程や段取りを示すコマが多くて、6頁くらいの内容しかない。カラー作品なので、あえて絵を見せることに特化したためかもしれない。
性格があべこべになっても外見が全く同じところなど、何を基準にあべこべになるかのSF考証としてのつめきれなさが、アニメ化して露呈した感もある。原作では薄い内容だからこそ勢いでごまかせていたのだが。


のび太の秘密トンネル」は、秘密の抜け穴を超空間に作るイモムシ型ロボット「スペースイーター」を使用。四次元ポケットを持っていない人間には、「どこでもドア」より使い勝手がいい面もある道具。しかし穴が開きっぱなしで扉などがないため、気づかれると意味がない。
しずちゃんの入浴場面などもふくめて、ほぼきっちり原作通りにアニメ化。スネ夫の部屋での二度の大立ち回りは、うまく1カットで説得力ある作画ができていて、サイレント映画のようで面白かった。
ただ、のび太がところどころ原作よりマヌケだったのは残念だった。ない知恵をしぼって立ち回ったからこそ、全てを失う結末に落差があって面白いのに。