今回は初期短編から2本をアニメ化。初期は頁数が少ない作品ということもあり、起承転結の要点はそのままに、途中の紆余曲折を足す方向で改変。
「おみやげフロシキ」は今週も高橋敦史コンテ。作画が細かく動くし、カメラ位置も面白く、広角レンズのようなレイアウトを多用して画面が派手。
フロシキの使用方法がわからず、とりあえず条件らしきものを忠実に再現しようとするジャイアンの姿がギャグとして笑えるし、心理学SFっぽさもあって面白い*1。怖い犬についても、途中から存在が忘れ去られた原作に対し、今回のアニメでは最後まで拾いつづけていて愛情を感じる。
ほぼ理想的なアニメ化だ。
「最強！黒おびのび太」は楠葉総監督コンテ。映像については、特に悪いところはないが、特に良いところもない。不良を投げ飛ばす場面で止め絵を使っていたのが印象に残ったくらいか。
しかし改変描写については、原作で何度か登場するアイドル伊藤翼の握手会が開催されたり、不良にからまれておびえるジャイアンが少し男気を見せたり、おおむね原作設定から引っぱってきているので違和感は少ない。原作ファンとしては許せるアニメ化。
*1:『世界まる見え！テレビ特捜部』で紹介されたメンタリストの実験パフォーマンスを思い出した。http://d.hatena.ne.jp/hokke-ookami/20130211/1360970348
