法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『銀河機攻隊 マジェスティックプリンス』#005 小惑星基地潜入作戦

実態は残念な集まりなのに、まぐれあたりの大戦果をあげてしまった主人公5人。
その評判から期待される成果が出せないでいるため、今回は入念なお膳立てをされる。
そこで主人公を補佐することになったエースチームの3人は、上層部が何を求めているか理解しつつも、等身大の先輩として主人公を導こうとする。


登場人物の立場に合わせて異なる目的意識が明確にあり、なおかつ誰もが好人物。戦争ロボットアニメでは少ないし、人工的に作られた人間という設定でとなると極めて珍しい*1
そうして行動目的は示されているのに、異なる立場からの交流や自然なすれ違いから物語を転がして、硬軟それぞれの見せ場を作っていく。


さらに後半の戦闘でも、見ていて引っかかるところがない。きちんと訓練に意味があり、作戦がそれらしいだけでもフィクションとして充分なのに、なぜ主人公がそのような作戦を任せられたかまで物語の流れで説明してみせた。
その上で、異常事態へ臨機応変に対処して展開が二転三転した結末に、前半で受けた意見に主人公が行動で応える。5機に加えて1チームというアニメにしては多めの編成で、ほとんどのロボットに見せ場を作った配分も巧み。


映像もわりといい。渓谷からの潜入、空中での戦闘、横穴からの敵基地突入と、どこかで見たようなシチュエーションではあるがバラエティに富んでおり、それを支える3DCGの質も高い。
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過去に似ている作品がないかと考えて、ふと思い出したのが『ゾイドジェネシス』だ。映像の不安定さという短所をつぶし、長所だけをうまく抽出すると、このような作品になるのかもしれない。
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*1:ただし、過去回で描かれた憎まれ役は戦争物の類型にとどまっている。今後の描写で印象が変わることを期待するが。