法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『エウレカセブンAO』第六話 ライト・マイ・ファイアー(episode:06 noblesse oblige)

前回に続いて猪爪慎一脚本。
子供達を守ろうとして散った大人を、残された言葉を主人公が引き継ぐ爽快感と、戦闘後の喪失感で描いていく。自己犠牲の瞬間は描かず、回想で間接的に描写。残した言葉そのもので犠牲を否定し、それを自らが破ってしまった大人に対する主人公の葛藤もしみる。けして自己犠牲の肯定に繋がらない、現代の作品らしい誠実さが印象に残った。
しかし、犠牲となった経緯を明瞭に描かないことは、その死が物語に要請されたものという印象ももたらす。設定説明にもう少し時間をさいて、主人公の作戦もわかりやすく描写してほしかった。
次回に続けたい構成もわかるが、Cパートを入れるなら、そこにトゥルース描写を集中させても良かったのでは、と思う。今回の序盤は次回の序盤に回しても問題なさそうに思えるし。


映像的にいうと、爆発作画の充実が目立った。
京田監督と村木特技監督の共同コンテだが、まだ華々しい板野サーカスは見せず、ロボットが敵にとりついて砕く姿や、巨大な敵が爆発崩壊するカタルシスを見せ場としている。
序盤の世界各地や終盤のゲネラシオン・ブルで大暴れするトゥルースのアクションも凄いが、今話以前の世界観をゆるがしかねない強さなので、ちょっと評価が難しい。