法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『コードギアス亡国のアキト』第1章 翼竜は舞い降りた

赤根和樹監督による『コードギアス』シリーズの外伝作品。バンダイチャンネルライブ配信していたので見てみた。
無料ライブ配信 バンダイチャンネル
カニックを3DCGで描いているところが新しいところ。水飛沫などのエフェクト関係の動きも良かったが、監督インタビューによると、ラフ原画などなしに3DCGだけで作業したという。
監督インタビュー|コードギアス亡国のアキト 公式サイト

実写映画で用いられるCG手法でもなく、単なるセル画の代用でもない。手描きのアニメ表現を取り込んだ、新たな3DCG表現をしてもらいました。これを最大限に活かせるようにと考え、アクションシーンでは、複雑なカメラワークによる長回しや、1カットに5アクションぐらい盛り込む、といったことに挑戦しています。舞台設定も水辺を入れて、アレクサンダが動くたびに水しぶきがあがるという難易度の高い設定にしてみました。井野元くんには「難しかったら、普通の地面でもいいから」といったんですが、きっちり水面になってました(笑)。彼がスゴイことの一つは、水しぶきや爆発などのエフェクトもきっちり3DCGで描けちゃうところです。今回は2Dのアニメーターさんがラフ原画を描くこともなく、絵コンテから直接、井野元くんがアクションをつけてくれました。

最近はサンジゲンが話題になることが多いが、オレンジの井野元英二もサテライト制作のアニメ作品で良い3DCGを見せてくれている。


物語は『コードギアス』らしくイベントの連続で繋いでいっているが、情景を描く描写に尺をさいていたところが興味深かった。主人公の移動する姿を淡々と描いたり。先述したメカニックだけでなく、都市も3DCGを多用して、その広さや構造を描いていった。
谷口悟朗監督によるシリーズ本編がキャラクターを立たせることを最優先していたことに比べて、赤根監督はキャラクターが生きている街を描くことにも力を入れている。それが、基盤を失った主人公アキトの立場を浮きあがらせていく。


ただ、世界設定が本編よりも緻密に感じられたことで、結果として、日本の人口設定に疑問を感じた。ヨーロッパにいる移民が隔離されているだけならまだしも、日本人移民だけで構成された特殊部隊がいるとは……他の国からの移民も、同様の立場に置かれているとうかがえる描写があれば、印象も違ったろうに。