法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ドラえもん』ウルトラ恵方巻き/雪でアッチッチ

アニメオリジナルの前半と、原作ありの後半。


Aパートは、食べると望みがかなう「ウルトラ恵方巻き」が登場。ただし恵方を向き続けて、願い続けながら食べ終えなければならない。
あっさり願いがかないそうになるかと思えば、手が離せない時にママが来て、回答をせまられたりする。叱りに来たのではなく、おやつは何がいいのかと聞きにきたこと、そして選択肢にわざわざ聞くような違いがない、というシチュエーションがリアルでうまい。
外に出ても、大人ににらまれたり、犬に追われたり。一つの方向を見ながら逃げまどう姿が映像として面白かった。
さらに前半のママで伏線をはっていたおやつを食べさせられて、満腹になってしまう。それでも何とか恵方巻きを食べきろうと奮闘するのだが……ここで食べきっても望みがかなわないロジックには感心した。
時事ネタから引いただけのシンプルな機能から、予想外にさまざまなシチュエーションを見せて楽しませてくれた。原作らしい構成をうまく作ってある。


Bパートは、熱いものは冷たく、寒い時は暑くなる秘密道具「あべこべクリーム」が登場。すでにリニューアル後の映画『ドラえもん のび太の新魔界大冒険 〜7人の魔法使い〜』でも登場している。
ほぼ原作通りなのだが、BパートがCMで分割されてCパートへ続くという最近の体裁にしたがい、やや後半でひきのばし。トラックの荷台へ逃げ込んで、知らずに雪国へ行ってしまうという展開に発展する。そこで遭難者を助け、オリジナルのオチがつくかと思えば、天然の温泉に飛び込んで、強引に原作展開へと軌道を戻す……
デフォルメの強い初期作品から映像化したので、リニューアル後のリアルに寄せた映像*1で見せられると、オチのナンセンス感がきわだった。

*1:2人が飛び込んだ温泉は、他の温泉より熱そうな描写なども、芸が細かい。