法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『スマイルプリキュア!』第27話 夏のふしぎ!?おばあちゃんのたからもの

〜ここは遠野か虹色ほたるか〜
明度を強調した色指定で、いかにも夏らしい強烈な日差しを表現するとともに、涼しそうな木陰がある風景も際立つ。ガード下や水門という人工物を画面に入れ込み、空想的な自然ではない、身近な里山らしさも表現されていた。どこかでロケハンしたのだろうか。
怪異の姿を画面に出さず、間接的に描ききったことも、プリキュアがいる世界なりの現実感を保たせていた*1。怪異が心の中にだけ存在する可能性を残しているので、独居老人自身の選択を尊重する背景として、我々が住む世界に重ねることもできる。


説明なく田舎へ向かっている場面から物語を始めて、祖母と再会した主人公が本当の目的を明かし、仲間との会話で田舎へ来た経緯を語るという、ひねった構成も面白い*2。段取り的な説明を排しつつ、主人公の動機を謎としてあつかって興味を引かせ、情報量を濃密にしていた。
祖母のキャラクターがゆるぎなく老人力を発揮して、バッドエナジーを発さないというパターン外しも効果的。大阪へ修学旅行した第14話でやるかと思っていたが、いったん独居老人問題で重くした今回にやるとは、ちょっと意表をつかれた。
前半で作画枚数を抑えていたおかげか、後半のアクションもよく動き、満足。

*1:しかし今回アカオーニが登場していたらどうなっていたんだろうか。

*2:脚本は成田良美