法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『世界まる見え!テレビ特捜部 次回も2時間SP』そこまでやっちゃうのSP

世界のCMで軍隊への入隊を求める各国のCMが流されたり、イラク自爆テロを題材にしたドッキリ番組が存在したり。


特に興味を引かれたのが、最後に流されたブラジル発ドキュメンタリー。次回のサッカーW杯と五輪開催をひかえてインフラ整備に乗り出したブラジルが、アマゾン川にダムを建設して巨大水力発電所を作ろうとして、先住民カヤポ族と衝突を起こしていることが紹介された。
ただし取り上げられたのは、デモ活動のような正面からの抗議ではなく、政府に対抗するための力をえようとして、スズメバチに全身を刺されるという「勇者」になるための伝統儀式の復活。平和になったため20年前から儀式は行われておらず、恐れる若者達と憂う長老の姿など、真剣ゆえの滑稽さが描かれていた。そして最後にダム建設は続行しているままとの説明もなされた。
検索してみると、カヤポ族をおびやかすダム問題について、ナショナルジオグラフィック等でも記事が配信されていた。
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=2011121401

 カヤポ族にとって、ダムの脅威は今に始まったことではない。シングー川のダム建設計画は以前にもあったが、1990年代には国内外からの抗議を受けて断念。カヤポ族が主導した反対行動もあった。しかし今回のベロモンテは、期待するほどの発電量は見込めないという批判もむなしく、計画が実行されるだろう。ブラジル政府が態度を変える様子はなく、反対されても工事は進めると関係者は話している。旺盛な発展を遂げるブラジルの電力需要を賄うにはダムが不可欠というのが政府の言い分だ。

スタジオでは先住民がどれだけ状況を把握しているのか疑問が出され、番組紹介を担当するブラジル人からの補足説明がなされた。先住民族はテレビも見ていて、長老などはポルトガル語も使えて、最新ニュースを知っているからこそ反対運動をしている。しかし追いつめられたからこそ、先住民のアイデンティティを確認するため、あえて伝統の儀式を復活させたのだ、という。そう説明されれば充分に納得できるし、日本にも適用できるような普遍性が感じられる。


ちなみに次回、8月6日放送は「世界のアニメSP」とのこと。
ただし放送時間は1時間。今回のSPサブタイトルは、前回放送が2時間SPだったため、次回予告での効果を意図してつけたものだろう。