法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『デジモンクロスウォーズ 時を駆ける少年ハンターたち』雑多な感想

最後まで視聴。全80話近くの、最近では珍しい長期オリジナルTVアニメ作品だったが、残念ながら枠移動やスポンサーの要請に苦しんだ印象が残る。
最終話に冨田与四一が参加したりしつつも*1、最後まで一部の作画が突出しない、安定させようとした作りだった。しかし、いかんせん全体的な作画リソースの不足が目立つばかりで、えんどうてつやSDの判断が正しいと思わされた。
感想を書いていなかった時期の単発話では、貝澤幸男のホラー演出が良かった第70話や、古賀豪の怪獣映画的なコンテが良かった第74話が楽しめた。


物語は、現代的に翻案した妖怪物らしい良さが全体にあった。5期『ゲゲゲの鬼太郎』が中途半端な結末になったスタッフのリベンジなのだろう。
黒幕探しは伏線が少なかったが、敵を倒すアイテムをめぐって二転三転する展開は悪くなかったと思う。トリプル主人公制ゆえに影が薄かった明石タギルをあえて前線から脱落させ、それゆえ最後の最後に主人公になれたというシリーズ構成の技法としても、なかなか興味深かった。どう見ても怪しい時計屋の正体が、主人公を助けてきた過去と整合性ありつつ、怪しいのも当然という綺麗なまとめ方だったことも、納得度を増した。
歴代シリーズの主人公が次元を超えて助けに来るという企画も、前作で次元を超えた戦いをしていたため、この世界観としては納得できる。

*1:おそらく主人公以外の少年ハンターが敵に対峙している俯瞰カットの前後。