町人が武家屋敷周辺の治安を守っていた「辻番」が今回の題材。
徐々に辻斬り対策から治安全般を守るように変化していき、老人がつくことも多くなっていった仕事を、社会が安全になっていった様子としてとらえる。
シーズン4に入って、ようやくという感があるシリアス話。初回も内容はサスペンスだったが、沢嶋雄一も捕まったりと演出がややコメディチックだった。
30分間の番組ながら、構成もなかなか緻密。途中から登場した新入り老人の隠している力は予想通りだが、その展開のさせかたがうまい。終盤にちょっと活躍して、脇役かと思われた相手を手当てしはじめたあたり、予想より出番がないのかなと思った瞬間……二手に別れたからこその、本格的トリックを応用したサスペンス展開にうなった。期待にこたえつつ予想を裏切るという、娯楽の基本があった。
人死にはたっぷり描かれているし、途中で死体を使ってブラックな笑いも提供していたが*1、最後は町人達による平和な世界が続くことへの理想を見る、さわやかな結末。良かった。
*1:地味に左足を動かしていることに沢嶋がツッコミ入れないという、わかる視聴者だけわかればいいというギャグ。
